Bクラス
俺とミスミは学園に向かっていた。学園の入り口にはクラス分けの表が張ってあった。
「スーク、あなたは何クラスだった?」
「俺はBだな。」
「私はAよ。でも納得できないわね。私より強いあなたが私より弱いと判断されたってことでしょ?」
そう。このクラス分けはSからDまでに分けられており、Sが一番強くDが一番弱いという感じに分けられているのだ。なのでBクラスの俺よりAクラスのミスミの方が強いと判断されたということになる。
「学園がそう判断したんだろ。それに別にクラスなんていつでも上げられる。」
「はぁ…ちゃんと上がってきなさいよ。」
「ああ、」
この学園にはクラスを上げる方法がある。それは実力を見せること。授業や行事、決闘などで強さを見せつければクラスを上げてもらうことができるのだ。
「新入生の皆さんはこちらにクラスごとに分かれて並んでください。」
「だとよ。それじゃあまたな。」
「ええ。」
そして俺たちは自分のクラスの列に並ぶ。それから十数分後に入学式が始まった。入学式では学園長や生徒会長、そして入学生首席の挨拶があり、その後少し学園についての話があり、その後は各々自分のクラスの教室に行く形になった。
「ここがBクラスの教室か…」
俺は教室の中に入る。中にはすでに何名かの生徒がいた。俺も空いている席に座る。
「隣に座ってもいいかな?」
俺が席に座っているとそう声をかけられた。声をかけてきた人物を見ると白髪の男の子がいた。
「大丈夫だ。俺的にも男子の君の方が楽だしな。」
「え!?」
「ん?俺がなんか変なこと言ったか?」
「いえ、いつも女の子と間違えられるので最初から男子扱いされたのは初めてです。」
たしかに彼は中性的な顔立ち、身長も男子にしては低く、髪からはいい匂いがしてくる。これだけの条件が当てはまると女子と間違えてもおかしくはないだろう。だが…
「俺は見ただけで性別が分かるんだよ。」
「本当?」
「ああ、まあ魔法によるものだけどな。」
「どうしてそんな魔法を使っているの?」
「対生物魔法に《魅了》って魔法あるだろ?あれは男が使うと女に効きやすく、女が使うと男に効きやすくなる。だから性別は知っておいて損はしない。」
「そうなんだ。」
俺たちがそんな話をしていると教室の扉が開く。
「全員静かにしろ。今から軽く自己紹介等をする。俺は1年Bクラス担任ホークス・ロイヤだ。よろしく。全員隣の席に座っている奴と自己紹介をしとけ。5分取ってやる。はじめ。」
「俺はスーク・ディフール。」
「僕はノール・クルード。」
「ノールか。いい名前だな。」
「スークもいい名前だと思うよ!」
「よし、そこまでだ。今日は寮について説明だけだ。授業は明日からだから安心しろ。では寮についてだが…まず寮はクラスごとに分かれている。クラスが高ければ高いほどいい部屋になる。いい部屋に住みたかったらクラスを上げることだ。寮は一部屋2人。部屋は男女別になっているから安心しろ。それぐらいだな。では今日はここまでだ。解散。」
そう言った瞬間全員立って帰りだす。
「ノール、行くぞ。」
「うん。」
俺とノールは一緒に寮に向かう。寮に入ると入り口に寮長らしき人が立っていた。
「君たちもBクラスかい?」
「はい。Bクラスのノール・クルードです!」
「スーク・ディフールです。」
「ちょっと待ってね…お、凄いね。君たちは同じ部屋だよ。」
「マジですか…凄いな。」
「よかった…僕、初めましての人と話すの苦手だから…」
「俺とはこんなに話せてるのにか?」
「スーク君はなんか話しやすいから…」
「そうか。あ、鍵はどこですか?」
「鍵はこれだね。部屋は307だね。二人とも部屋を出る時は受付に鍵はおいてね。」
「わかりました!それじゃあ行くか。」
「うん」
そして俺たちは307に向かう。307に入ると意外と広くすでに荷物がいくつかおいてあった。
「あ、これ、僕が先に送ってたやつだ。」
「そうなのか。」
「スーク君のが見当たらないけど大丈夫?」
「大丈夫だ。俺は空間魔法の《収納》の中に入れているからな。」
「空間魔法使えるの!?」
「ああ」
「凄い!でも空間魔法が使えるならAクラス以上になると思うんだけど…」
「俺は干渉魔法を主に使っている。干渉魔法は魔力消費が激しいからこの学園ではあまり重要視されてないんだよ。」
「そうなんだ…でも凄いな。僕は干渉魔法使えないから…」
「まあ、そこは努力次第だろうな。得意不得意もあるし…てか、今日はもう疲れたし俺は風呂入ってくる。ノールはどうする?」
「あ、僕も行く!」
俺たちは一階にある浴場に向かう。寮の浴場はいつでも開いている。そのため俺たちが浴場に着くとすでに数名入っていた。
「少し緊張しちゃうな…」
「そうか?同じ男だろ。」
「それはそうなんだけど家族意外と一緒に温泉に行くのが初めてでちょっとね。」
「そう言うことか。気楽に入った方がいいぞ。そもそも温泉は疲れを取るものだしな。そんなに緊張してたら疲れが取れないぞ。」
「うん。わかったよ。」
そして俺たちはゆっくり温泉に入る。すると二人の男子がこっちに近づいてきた。
「君たちも1年生だよね?」
「?ああ、そうだが。」
「よかったぁ。やっと見つけた。浴場に来たはいいものの先輩ばかりでさ。」
「そういうことか。」
「君たち、名前は?」
「俺はスーク、こっちはノールだ。」
「僕はロイだよ。こっちはデノール。」
「よろしく。」
「よろしくね。質問いいかな?」
「ん?なんだ?君たちの得意魔法は何?」
「ぼくは…」
答えそうになるノールの口を手で押さえる。
「なんで教えなければならない?」
「やっぱりそう簡単には教えてもらえないかぁ。敵になるかもしれないからね。知りたかっただけだよ。」
「そうか。それなら教えられないな。」
「ふふ、負けるのが怖いのかい?」
「は!お前程度に負けるわけねぇだろ?寝言は寝て言え。帰るぞノール。」
「う、うん。」
そして俺たちは着替えて浴場を後にする。
「よくわかったよね。」
「ん?何がだ?」
「さっきの人たちが得意魔法を聞いてきた理由。」
「気配でなんとなくな。悪知恵をはたらかせている奴からは独特の気配を感じるんだよ。」
「そうなんだ。」
これは前世からあった。前世では相手の罠に引っかかったら引っかかったやつが悪いように扱われた。安全に働くためにはそれを見抜く力も必須だった。それを鍛えた結果が今世にも生きてきただけなのだ。
「今日は疲れたから俺はもう寝る。」
「ごはん食べないの!?」
「どうせ晩御飯の時間には起きる。」
「そうなんだ。わかった。おやすみ。」
「ああ、おやすみ。」
そして俺は眠りについた。




