私たちは冒険者です
「勇者様」
「なんだテメェ?」
「勘違いなさっているかもしれないので念のために申し上げておきますが、私たちは娼婦ではありません。冒険者です」
それに対する返答はバニラの想定外だった。
「どこが違うってんだよ?」
「な……?」
ヴィルヘルムはパンジーの腕を掴んで無造作に放り投げた。
「きゃっ……!」
パンジーはいとも簡単にベッドの上へ放り出された。動きやすいようにスリットを大きく開けた彼女のスーツが大きくめくれ上がり、白くて健康的な太股と黒い下着が露わになる。
「いいじゃねーか。色っぽいぜ」
ベッドに乗ろうとしたヴィルヘルムの肩をバニラが掴んだ。
「もう一度言います。私たちは冒険者です」
不機嫌そうな表情でヴィルヘルムが振り返った。
「だから知ってるって言ってるじゃねーかよ。女なんてモンは全員俺の前では股を開くもんだ。だからこうして望み通りにしてやるんだよ!」
ヴィルヘルムの右手がバニラの胸に伸びた。しかしその身体は鎧に守られており、ヴィルヘルムの期待した柔らかさは伝わってこない。
バニラは嫌悪感の詰まった瞳でヴィルヘルムを見た。彼の身にまとっている純白のバスローブはその一部分が盛り上がっており、さらにその頂上からは何かが染み出しているのが見えた。バニラの嫌悪感はより一層募る。
バニラはヴィルヘルムの前に幅広の剣を突き出した。
「何のつもりだ、てめー?」
顔色ひとつ変えないヴィルヘルムに対し、バニラは冷静を保つよう、自分に言い聞かせながら告げる。
「ここには勇者はいなかった。いたのは勇者を名乗る変質者であり、我々は不法侵入者を退治したに過ぎない」
ヴィルヘルムがにやりと笑った。その笑みに歴戦の冒険者は一瞬たじろいだが、すぐに気を取り直し剣を振りかぶる。
「殺しはしねえ。NPCといえど、まだヤってねえ女を殺すのはもったいねぇからな。だが、誰がご主人様なのかは徹底的に教えてやる」
「戯れ言を……!」
バニラが神速の勢いで剣を振り下ろした。慣れた肉を斬り骨を断つ感触が――
「なっ……!」
数多もの敵を斬ってきたバニラの剣は狙い違わずヴィルヘルムの首筋に命中していた。
しかしそれだけだ。ヴィルヘルムの肌には傷ひとつ付いていない。まるで金棒を殴ったような堅さだった。
「どうした? 攻撃しねーのか?」
ヴィルヘルムが薄ら笑いを浮かべながらバニラを挑発する。勇者は無造作にその剣を掴んだ。
「ば……馬鹿にして……!」
バニラが掴まれた剣を振り上げようとしたが、びくとも動かない。
「な、なんだと……!?」
エルフの女性といえど、バニラは王国屈指の冒険者である。その膂力は並みではないし、そこから装備品と魔法でさらに筋力を強化している。
その彼女の全力をもってしてもヴィルヘルムに掴まれた剣をただの一ミリも動かすことができなかった。
「何もしねーのか? じゃあ、今度はこっちから行くぜ……?」
右手でバニラの剣を掴んだまま、ヴィルヘルムは左手で彼女のブレストプレートを掴み、無造作に引きちぎった。
「なっ……! ミスリルアーマーだぞ!」
バニラのミスリルアーマーはバラバラに砕け散り、バニラの豊かな胸が露わになる。
「ほぉ、いいモン持ってんじゃねーか! 俺好みの形に小さいピンクの乳首! さらに巨乳! さて、こっちの具合はどうかな?」
「や、やめて……」
ヴィルヘルムがにじり寄るとバニラは下がろうとするが、それまで剣を掴んでいた右手が今度はバニラの右手をがっちり掴んで離さない。
「おう、かわいい声が出せるようになったじゃねーか。女はそうでないとな!」
ヴィルヘルムはさらにバニラの腰アーマーを引きちぎった。彼女自身が露わになる。
「さあ、夜はまだ長い。今夜は楽しむぜ!」




