で、俺は何をすればいい?
何でも要領よくこなす子供というのはいるものである。
教科書をさらりと読んだだけで特に勉強しなくてもテストで百点を取ったり、どんなスポーツをやらせてもクラスのヒーロー的な活躍ができたり。彼もそういった子供だった。
しかし彼の場合はそれが度を超えていた。
小学校時代、彼は親の勧めで剣道をしていた。あまりやる気がなかったが、三年生から毎年全国大会に出て、五年生と六年生の時には全国二連覇を成し遂げた。
中学でも活躍が期待されたが、彼は突然「女に人気だから」とサッカーに転向。これもエースストライカーとして全国制覇をあっさり成し遂げてしまった。
プロになれば年俸何億と稼げるという理由で高校で野球に転向、一年生エースとして甲子園目前までいった所でまたもや「飽きた」と野球部を辞めてしまった。
高校を中退した後はこれといって打ち込むものもない日々を送っていた。
そんなとき突然勇者として王国に召喚されたのである。
登録番号1
勇者名:ヴィルヘルム
武器特性
片手剣:SSS
両手剣:SSS
槍:SSS
片手斧:S
両手斧:S
短剣:SS
防具特性
金属全身鎧:SSS
金属部分鎧:SS
革鎧:S
布:SSS
魔法特性
炎:SSS
氷:SSS
雷:SSS
風:SSS
光:SSS
闇:SSS
その他:SSS
乗馬:SSS
総合評価:SSS
「ふん、こんなもんか」
勇者として召喚された初日、多少のトラブルはあったが能力判定のテストを受けたヴィルヘルムはその結果が書かれた紙を見せられても何の感慨も抱かなかった。
彼の部屋に多く飾ってある賞状やトロフィーを眺めるのと同じ気持ちである。彼にとっては当然のことであった。
「で、俺は何をすればいい?」
その後通された玉座の間でヴィルヘルムは王に対し不遜に問うた。
「う、うむ。勇者殿には仲間や他の勇者たちと協力して帝国を、さらには魔王を倒して欲しい」
気の弱そうな国王はヴィルヘルムの勢いに押され、怯えたようにそう答えた。
(俺以外にも勇者がいるのか。引き立て役はどこにでも必要か)
聡明なる彼はこの世界がゲーム世界だと看過していた。
ゲームは好きだった。どのゲームにいってもそれなりに彼を手こずらせる強者がいたし、その強者も少し要領を掴むと呆気なく彼の前に膝を折るからだ。




