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この先はオレが相手だ

「おとなしく負けを認めろよ。弱いくせに! 第1勇者様に楯突いて申し訳ありませんでした。お詫びにこの身体を好きに使ってくださいってな。ぎゃははははははは!」

 下品に笑うヴィルヘルムを見上げるメリアの表情は何の感情も示さない。


「貴方などにこの身を汚されるくらいならば……死を選びます」

 剣を落とし、いつものメリアに戻った彼女の言葉を聞いたヴィルヘルムは愉快そうに笑う。


「はははははは! 『くっ、殺せ』ってやつか? くっころ! 初めて聞いたぜ。さすがは女騎士!」

 その瞳が嗜虐的な色に染まる。


「死ぬ前に存分に味わってから屈辱のうちに殺してやらぁ!」

 ヴィルヘルムがかがみ込んでメリアのスカートに手を伸ばす。

 その奥に隠されている下着を引きずり下ろそうとしたとき、ヴィルヘルムは顔が何かに濡れたのを感じた。


「テメエ……!」

 顔についた唾を手で拭い、激昂したヴィルヘルムは剣を振り上げる


「そんなに死にてえなら、今すぐぶっ殺してやる!」

 その時、ヴィルヘルムの後ろから甲高い、舌足らずの声がした。


「その辺にしてもらおうか」

「あぁ?」

 ヴィルヘルムが振り返ると、そこには彼の胸くらいしか身長がない子供がいた。


「さっきのクソガキじゃねーか。何か言ったか? この俺に何か用か?」

 嗜虐的な笑みをたたえながらヴィルヘルムはすごむが、イリスは全く怯まない。


「その辺にしとけってって言ったんだ。それはうちのエースだ。壊されちゃたまらないんだよ」

「勇者……さま……」

 息も絶え絶えにこちらを見るメリルを制すると、イリスはヴィルヘルムを睨みつける。


「この先はオレが相手だ」

 その言葉を聞いたヴィルヘルムが笑う。


「お前が? はは、はははははははははははは! はははは!」

 ヴィルヘルムはしゃがみ込んで地面を叩きながら笑っている。


「ひー、腹がいてぇ。こんなに笑ったのはファランの配信見たとき以来だ」

「ファラン……? ああ、迷惑系ユーチューバーか」

「あいつは最高だせ? 警察サツの車盗んで追いかけられる動画はマジ最高だった」

「興味ねえっつーの」


「で? お前が倒すって? 俺を? マジで?」

 ヴィルヘルムがいかにも重そうな剣をイリスの顔に突きつけた。


「そう言った」


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