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テメエの立場をじっくりと教え込んでやる!

 狂ったように笑う勇者を前に、女騎士は油断なく剣を構えた。

「おい、俺が名乗ってんだからお前も名乗れよ、金髪巨乳」

「ンだと、テメエ……」


 馬鹿にしたようなヴィルヘルムの言葉に凶戦士メリアの眉間がさらに険しくなる。


「アルストロメリア・アリス・ローゼス・ルーシェス。ルーシェス王国の継承権を持たない第八王女だ。覚えなくていいぜ」

 律儀に名乗り返してやる、凶戦士でもやはり根本は騎士なのだ。


 それなのにヴィルヘルムが返したのはねっとりとしたいやらしい視線だった。

「ははっ! 第八王女ぉ? どうりで上玉だと思ったぜ。そうか、あいつの妹か」


 ヴィルヘルムは下衆な視線を向けたまま、一歩、二歩と無防備にメリアの方へと歩いてくる。


「知ってるか? お前の姉さん、第一王女はもう俺のもんなんだぜ? お前も含めて姉妹丼としゃれ込もうぜェ?」

「……何言ってるか全然わからねェが、不愉快なことだけはわかる」

 メリアはさらにヴィルヘルムをきつく睨む。


「ぶっ潰す!」

「やれるならやって見せろ! テメエの立場をじっくりと教え込んでやる! 調教だ!」


「ていやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「さあ来いよ! 裸にひんむいて、テメーが女だってことを嫌でもわからせてやる!」


 金属同士が激しくぶつかり合う甲高い音が聞こえた。メリアの打ち込みをヴィルヘルムが弾いたのだ。

 先ほどのエルフとの戦いとは異なり、メリアの本気の打ち込みをヴィルヘルムは易々と防いでみせた。


「ぐっ……」

「ハッハァ! NPCのくせにやるじゃねーか!」


 つばぜり合いの状況になった。メリアが上から全力で押しているにもかかわらず、ヴィルヘルムはそれを片手で受け止め、涼しい顔をしている。


「……っ。ワケわかんねーこと、言ってんじゃ……」

 メリルが『泉の女神』を振り下ろす。

「ねー!」


 衝撃波でお互いの間合いが離れた。しかし離れていくメリアを追いかけるようにヴィルヘルムが跳んだ。


「今度はこっちから行くぜ!」

「……っ!」


 ヴィルヘルムの攻撃を後退しながらメリルが受ける。ヴィルヘルムは軽く振っているようにも見えるのに剣が合わさるたびに重い音がする。


「舐めんな!」

 メリルが反撃に転じようと大きく跳躍した。


「これでも、喰らい……なにっ!?」

 高所から強力な攻撃をしようとしたメリルが驚愕に表情を歪める。

 先ほどまで地上にいたはずのヴィルヘルムが一瞬でメリルの頭上を取ったからだ。


「何を喰らうって? えェ?」


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