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勇者10歳~戦闘力ゼロの幼女勇者、最強魔王を倒さんとす  作者: 雪見桜
使命……? ああ、魔王を倒すことだったな、そういえば
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この中で最も高位の指揮官は誰だ?

 そこは現在、『収容所』と呼ばれているが、本来は負傷者を収容する救護所として使用されるべき場所である。先の攻略戦では死傷者がいなかったために一部の捕虜がここに収容されている。まだ目覚めない多くの捕虜は地下牢に入れられている。


 イリスがミャーリーとデルフィニウムを伴って収容所に入ると、ベッドの上で思い思いの時間を過ごしていた捕虜達は一斉に押し黙り、その注目は一斉にイリスに向けられた。


「どうしてこんな所に子供が」という視線。しかしそういった視線も“神”にこの肉体を与えられたときからすでに数ヶ月、悲しいことにすっかり慣れてしまっていた。


「この中で最も高位の指揮官は誰だ?」

 それなりに広い収容所にソプラノの声が響き渡る。しかし、その言葉に反応する者は誰もいなかった。


 言葉が通じていないからだ。


 西大陸に住む人々はもとは全員東大陸から逃れてきた人々だが、数百年の断絶に加え、王国の指導層は『敵性言語』排除のために積極的に新語を創造したことによって今では全く通じない完全な“外国語”となっている。


 しかしイリスはそんなことは気にも留めずに収容所のなかをつかつかと歩いて行く。

 そして、あるひとりの捕虜の前まで行くと、立ち止まった。


「イル メビデュラ? アアリボット ウィブン」


 耳の尖った黒髪の男性――ダークエルフ――の捕虜が口を開いた。イリスの後に付いてきたデルフィニウムが捕虜の言葉を翻訳した。

「何か用かと言っているの」


 しかしイリスはそれに構うことなく言葉を続ける。

「あー、いい、いい。言葉がわからないフリしなくてもいいって。本当はわかってるんだろ? 最初にオレが話したときにお前、反応したよな」

「ウリビズ、ウェッティンティレイド?」


「もう一度聞くぞ。指揮官は誰だ?」

「アレイ……」


 ダークエルフは明らかに狼狽している。それだけでもうイリスの言葉を理解していることがわかるのだが、それでも彼は言葉が通じていないフリをやめようとはしない。


「ビッテンディックト インティクトレイス……」

「もうイイ、あとはワタシに任セロ」


 後方からの女の声にダークエルフは黙り込んだ。それは訛ってはいたが、確かに東大陸の言葉だ。


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