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これからどうなるんだ?

「…………う」

「ようやくお目覚めか?」


 ンジャーミンの頭が徐々にはっきりしてきた。確か、敵の襲撃に備えて外壁に待機していたはずだが、今ゴブリンの彼がいるのは薄暗い部屋の中である。

 しかし、見知らぬ天井ではない。見知った天井、ここはヴレダ要塞の内部だ。


「いったい、どうなってるんだ? オレは確か――」

 どうやら床の上に横たえられていたらしい。ンジャーミンは身体を起こそうとするが、体中が痛い。


「あんまり無茶するな。まずはゆっくり起き上がるんだ」

 言われるがままにゆっくり身体を起こすうちに少しずつ思考が鮮明になってきた。ここは地下牢の中ではないのか?


 そのことを同僚に話すと、オークは頷いた。

「どうもそうらしい」


「一体何が起こったんだ」

「わからん。おれもついさっき目覚めたばかりだからな」

「そうか……」


「しかし、ひとつだけ言えることがある」

「言えること……?」


「おれ達は眠らされて、地下牢に入れられている。つまり、敵に捕えられているということだ」

「敵に……? オレ達は難攻不落のヴレダ要塞にいるんだぞ? どうしてそうなるんだ!」


「だから、おれもわからんと言ってるだろう!」

「す、すまん……」

 つい声を荒げてしまったことにンジャーミンも同僚もお互いを詫びる。


「そうか……要塞は落ちたのか……」

 ンジャーミンはがっくりと肩を落とした。目の前には今まで彼自身が横たわっていた石畳がある。


 部屋の四方は石の壁で覆われており、ただ一カ所、鉄の扉の上方に空けられた鉄格子のはまった小窓から明かりが漏れてきている。

 狭い部屋だ。もとは一人用の地下牢にンジャーミンと同僚のオークの二人が入れられている。


 要塞には何千人もの兵士がいたはずだ。それら全員を入れられるほどの牢はこの要塞にはない。

 もしかすると目覚めた順に処刑しているのかも――そう考えると身体の芯から震えてきた。


「な、なあ……。オレたち、これからどうなるんだ?」

「さあな。おれたちが捕えた叛徒どもは帝国に送り返されて強制労働だが、叛徒どもはどうするのかね。話によると捕虜になったあと、生きて帰った帝国兵は誰もいないという話だが……」


「そんな、まさか……」

「そうしている間にお出迎えが来たのかもしれんぞ」


 同僚の言葉に意識を牢の外に向けてみると、複数の足音がこちらに向けてやってくるのがわかった。


「くそっ、こうなったら最後に一矢報いてやる!」

「それもいいかもしれんな。おれも手伝うぞ」

「…………」


 ンジャーミンは口の中の唾を飲み込んだ。その音が妙に大きく感じられたのを自覚していた。


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