第2話 異世界
前書きと後書きに何書いて良いのか未だに分かってないぐちおです。
読んでくださる方々のおかげでモチベ高めを維持し続けていられてます。
誠にぃ〜〜〜感謝ッッッッ!!!!!!
では第2話です!
体を起こし周りを見回す。
しばらく先に森がある、そして俺の周りをツノのある兎が跳ねている。
「どうなってんだこりゃァ…ここが地獄なのか…?」
迷路のような自問をしていると、ツノうさぎの1匹がこちらに敵意を向けて駆けてきた。
そしてツノが俺の胸に突き刺さ…らなかった。
「ま、この程度のトゲじゃぁな…」
俺の皮膚に弾かれて体勢を崩したうさぎのツノを掴んで思い切り地に叩き付けた。
風船の割れるような音と共に血のシミになるうさぎ。
「あ、しまったな…焼きゃ食えたかもしれねぇ…まぁいいか。」
そういうや否やよく分からない全能感に襲われる。
「!?」
急に体の奥底から力が湧き出してくる感覚。
俺は先程までうさぎだった血のシミを見る。
「まさか…レベルが上がったとか…そんなのか…?」
余りにも荒唐無稽、だが執行室から一転して草原にいる現状そうとしか考えられなくなっていた。
「ここは地獄でも天国でもねぇ…異世界ってことか…」
当たりを見回す。
草原、うさぎ、そして森。
微妙な選択肢しかない。
「とりあえず、生きるにゃ水だな。…!」
俺はここで驚くべきことに気付いた、自分が生きようとしていることに。
「チッ…年甲斐もなくはしゃいじまってるってことかよ…」
そう言ってそこそこの羞恥感じる。
だが、それ以上に胸が踊っていた。
「親父、おふくろ…悪ぃな、まだそっちに行けそうにねぇ。」
俺は空を眺めてそう呟いた。
気を入れ直すために両手で頬をパンと張る、そして森に向けて歩き出した。
森の入口にたどり着くまでにうさぎに何度も襲われる。
襲い来るうさぎの群れを倒しながら進んでいると、群れの中に一際体格が良く、赤黒い色をした刃物のようなツノを持つうさぎがいた。
「随分不気味なうさぎだな…この群れのボスか…?」
俺がそう呟やいた瞬間、ボスうさぎが地を蹴った。
地面が爆ぜた様な音を鳴らすと共にボスうさぎが俺に急接近する。
速い、だが遅い。
それが俺の抱いた感想だった。
「雑魚は見逃してやるが、おめェの首は貰うぜ。」
そう言って心臓への一突きを横にかわすと同時にボスうさぎの脳天に拳を叩き込んだ。
すると頭が陥没し、ボスうさぎはおおよそ地上波放送できないようなグロテスクな状態になって息絶えた。
そしてボスうさぎが息絶えると同時にまたしてもレベルアップ(仮)
の全能感に包まれる。
「この感覚は慣れねぇな…」
そうボヤきながらやっとこさ辿り着いた森の中に入って行く。
木々が生い茂ってはいるが、空から太陽の光が差し込んでいるため暗くはない。
「不気味ってよりかは神秘的って感じだな…」
キョロキョロと周りを見ながら歩く。
見たこともない花や木の実などがそこかしこに群生している。
「こりゃァいよいよ異世界だな…」
道の土地でソワソワしながら森を散策する。
すると近くで金属を打ち付ける音や男女の怒号が聞こえた。
「ありきたりな展開だな……とりあえず見に行くかァ…」
戦闘の音が聞こえる場所に向かい、全体を俯瞰するのに良さげな木の枝に立つ。
どうやら村娘が野盗に襲われているようだ。
「これまたコテコテの展開だなァ…」
そう呟いて木から飛び降りる。
着地と同時に轟音と土煙が舞う。
「な、なんだ!?」
「た、隊長!!」
「慌てんじゃねぇ!おめェら構えろ!」
土煙の外からそんなやり取りが聞こえる。
初めての命を懸けた対人戦だってのに俺はそんなに緊張していない。
慣れてるってわけじゃない、だが、負ける気は微塵もしない。
「さァ…遊ぼうぜ。」
ー???sideー
私はエマ、エマ・ダートン。
このミュルズ大森林の小さな村に両親と妹と4人で暮らしてます。
今日も朝起きてみんなに挨拶をして、妹と2人で薬草を摘みに来ていた。
そう、何も起こるはずなかったんです。
私達の村は魔物よけの結界に覆われており、滅多にモンスターを見かけることはありません。
モンスター達もそれを知ってか知らずかあまりうちの村には寄り付きません。
村の人達は村の外に出る際は、モンスターの嫌う匂いを放つ薬草を混ぜ合わせた匂い袋を持って外に出ます。
私と妹もそれを持って薬草採取に来ていました。
しばらくして、馬の足音が私達に近付いて来ていることに気が付きました。
最初は村の人の誰かが来たのかなと思っていました。
しかし、馬が視認できる距離に来るとすぐにそれは間違いだと気付きました。
馬上にはフルプレートの鎧を着込んだ騎士と思しき方が、そしてその手には血に濡れた直剣が握られていました。
村のある方の空を見上げると、何かを燃やしている黒煙が大量に上がっていました。
すぐに目の前の騎士とその仲間に襲われたのだと気付きました。
騎士は私達の前で馬から降りると剣を肩に担いで煽るように言いました。
「おいおい、まさかこんな辺境の村の娘がこれほど美人とはな。」
「……何故、このようなことを?」
妹を背に隠すようにして立ち騎士に問います。
「いやなぁ、お前らの村の作るポーションがな…」
「…!あれは幾星霜も研鑽と思考を繰り返して作られたものです!決して貴方達の期待を裏切るものではなかったはず!」
騎士の言動からポーションに不備があったのかと思い、被せるように反論しました。
ですが、私がまくし立てると騎士の言葉に耳を疑いました。
「そう、それだよ。お前らの作るポーションが優秀過ぎるから俺らの雇い主の作ったポーションがまるで売れねぇからお前らの村を焼いたのさ。」
なんてことだ。
ポーション作りの仕事に、人を助けられるものを作るこの仕事に誇りを持っていたのに。
それなのに、利益に目が眩みこんな仕打ちを受けなければいけないのですか。
続々と騎士の仲間と思しき者達が集まって来ます。
ここに来るということは村の生存者はもう望めないでしょう。
私は妹を抱き締めて蹲ります。
「アーシャ…ごめんね…弱いお姉ちゃんを許して…」
「お姉ちゃん…ずっと一緒だよ…」
妹は気丈にも震える手を私の背中に回して抱き締め返してそう言ってくれました。
ほんとに良い子に育った、もっと色んなものを見せてあげたかった。
弱い自分に腹が立つ、不条理なこの世界に憤る。
ぐちゃぐちゃになった感情のまま最期の時を迎えようとした時、私達と騎士達の間を遮るように木の上から何か大きなものが落ちてきました。
3メートル…はあろうかという巨体、そして服の上からでも分かる鍛え抜かれた肉体。
正に筋肉の鎧と表現できそうな頑強で屈強な大きな方が目の前に立っていました。
先んじて言っておきますが、主人公は今のところ、最強ですが無敵ではありません。
でもちゃんと無双はするので!!ブラウザバックしないで!!!!(懇願)
これからの展開を楽しにして頂ければ!!
では!アデュー!!