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第1話 死刑執行

遥か太古の昔に1度筆を執るも会えなく挫折したぐちおです…

今度はエタらない!!!絶対に!!!!!

逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…

俺は獅子原 龍吾(ししはら りゅうご)、ガタイはいいがしがないサラリーマンだ。

薄給の長時間労働を終え、今日も帰路につく。


「ハァ…テメェのミスを俺に押し付けて何様だあの野郎…」


今日はボンクラ上司のミスを押し付けられて残業コース…まぁ、現代じゃありふれたもんだな。


「こんなことなら、いつぞや誰かに言われた格闘家にでもなっときゃ良かったなぁ……なんてな。」


俺は昔から人一倍ガタイが良く、力も人一倍…いや、力は何倍もあった。

()()()()()格闘技をやらなかった。

小学生の喧嘩で相手を骨折させることから始まり、中学高校は喧嘩に明け暮れ何人も病院送りにした。

今思えば、親父もおふくろもよくこんな俺を見捨てなかったもんだ。

そんな真人間だった2人も俺が成人して程なくして事故でポックリ逝っちまった。

それもあってか成人してからは荒波立てずひっそり生きようと決心した。


「ま、挙句こんなブラックないしダークネス企業に入っちまうとは…神様には全部お見通しなのかね…」


そんなことをボヤきながら色々と考えているうちに更にフラストレーションが溜まっていく。


「だァ〜〜!!!!酒でも飲まなきゃやってらんねぇ!!!!」


人通りのなくなった道のど真ん中でそう叫ぶと近くのコンビニに立ち寄った。


「らっしゃぁせ〜」


若い男店員の声を聞き流しながら手近なビールやらハイボールやらをカゴにポイポイと入れていく。

そしてつまみも何か買うかと考えているとレジの方から怒号が聞こえてきた。


「おい!金出せ!!オラァ早くしろ!!!」


「ヒィッ!」


そんなやり取りが聞こえ、俺は商品棚から少し顔を出して様子を伺う。

強盗の数は2人…いや、外にももう2人いるな。

店員はあまりの恐怖に頭が真っ白なのだろうレジを打つ手が止まっている。


「テメェ!早く金出せって言ってんだろうが!!」


男が怒鳴り散らす。


「(嗚呼…神様よォ…俺にゃちょっとの休息も与えてくれねぇのかい…?)」


もう、限界だった。

成人してから数年、ずっと我慢の日々だった。

俺の身体は異常に強靭故に何があっても手は出してはならない。

そして学のない俺は弁が立つはずもない。

故に、全てを我慢し、受け入れなければならなかった。

こんな人生を歩み、更にはこんな些細な自分への褒美すら許されない。


「こんな人生はもういらねぇな…」


そう呟いた直後俺は喚き散らしている男の頭を鷲掴み、レジカウンターに叩き付けていた。


「ぶへぁ…」


男の顔は鼻が折れ、頭骨すら歪みそのまま意識を手放した。

その光景を唖然と見ていたもう1人の強盗が俺に銃を向けてくる。


「な、何だてめぇは!?一体どっから現れやがった!!?」


「答える義理ァねぇな…失せろ。」


そんな短いやり取りをして俺の拳が男の顔面に突き刺さる。

グチャリとした嫌な手応え、だが、まだ終わらない俺はそのまま男の頭を地面に叩き付けた。

全力でやった、その結果男の頭は無くなっていた。


騒動に気付いて外で待機していた強盗2人も入ってきた。


「おい、いつまでかかって……っ!?」


「おい、なんだよ急に立ち止まって…なっなんだこれ!?」


アクションを起こされる前に俺は動いた。

先に入ってきた男の首を掴み一瞬でへし折る、そのまま男を盾にしてシールドバッシュの要領でもう1人を店外へ吹き飛ばした。


「ぐあっ!…な、なんなんだ…くそ…!!」


男はもうほとんど半狂乱になっていた。

見るに堪えないと思った俺はあっという間に男の首をキメてからへし折った。

全てが終わりこの惨状を見回し、そして満月が爛々と輝く空を仰ぐ。


「……親父…おふくろ……すまん…」


そう俺が呟くと同時にサイレンの音が聞こえてきた。

かなりの数のパトカーが俺を取り囲む。

俺は両手を頭に置いてその場でうつ伏せになる。

そのまま、俺は警察署に連れて行かれることになった。


そして、留置所に入れられしばらくしてから警察署で俺は弁護士から衝撃的なことを言われた。


「殺してしまった強盗の中に…権力者の子息がいたみたいです…貴方はじきに死刑となるでしょう。」


だが、俺の頭は冷静そのものだった。

むしろ少しホッとしていた。

これで、親父とおふくろのところへ行けると。

そしてその後、形式的な裁判が始まり俺は死刑になった。

だが、死刑執行するとなってからが問題だった。


「な、なぜ刺さらないんだ!?」


針の折れた注射器を持った刑務官が嘆く。

そう、俺の肌に注射器の針が刺さらなかったのだ。


「やるなら、早めにやってくれ。」


「ぐっ…黙れ!もう一度だ!」


そして予備のために用意した注射器を打つが、またしても針は折れてしまった。


「なっ!?くっ…このバケモノめ…!!」


「………」


バケモノ…言い得て妙だな、と俺はぼんやり考えていた。

結局この後何度も試すが針は通らず、刑の執行方法を変える他なかった。子供の時に受けた予防注射の針は問題無かったんだけどな。


「……絞首刑とは…また随分物騒で古めかしいな。」


「自分の頑丈さを恨め、フン、精々苦しむがいい犯罪者。」


そして刑務官がレバーを倒す。

俺の足元の床が開き首に巻いた縄がピンと張る。

そして10分の間そのまま宙吊りになっていた。


「よし、10分だ下ろすぞ。」


刑務官が時間を確認して俺に近付く。

その瞬間、縄がミリミリブチブチと嫌な音を出すとそのままちぎれた。


「…は?」


刑務官は唖然とその様を眺めている。


「チッ…死ねねぇもんだな…」


俺は平然とそう言ってのけた。

それからしばらくの間また留置所に戻され、どうやら上の人間が審議した結果特注素材の刃による斬首刑となった。


俺は鉄製の枠組みに首を固定される。

正直、逃げようと思えば逃げられる。

だがもうそんな気力は微塵もなかった。

親父もおふくろも愛すべきものもおらず腐っていくだけ、ならばいっそここで…そして俺は目を瞑る。

レバーを倒す音が聞こえ、刃が滑る音が聞こえてくる。


「今逝くぜ…」


ズダァンと刃の落ちる音が室内に響いた。


「…………?」


なぜか、風の音や草の匂いがする。


「(なんだ…?やけに気持ちのいい風が吹いてやがる…

それに背中のこの感触…草か…?)」


俺はゆっくりと目を開ける。

そこには抜けるような青空が広がっていた。


はい、ということでね!

やって参りました異世界転移!

これから気ままに書いていくので長い目で見守ってください!

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