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第八話「冒険者」

ある程度荷物を揃え、ゼノさんと共に街に向かった。

ゼノさんはいつも通り、顔を隠すように黒いローブを着ている。

やはり、街の住人に顔を見られたくない事情があるのだろうか?

まあ、深く掘り下げるのはやめておこう、うん、迷惑かけるわけにはいかん…。

「見えてきたぞ」

少し先には、鳥居のような小さな門と、街を囲む小さな柵が見えてきた。

この柵には魔物除けの加護のようなものが付与されているらしく、

魔物は街の中に入ってこれないらしい。


街に入ると、色々な店の人たちが血気盛んに客引きをしていた。

見たことない料理や冒険者用の防具まで売っていて、

つい買ってしまいそうになるな...。

だが、今の俺は一文無しのホームレスだ。

まっすぐ冒険者ギルドに行こう...。



着いた...が、結構ボロいな...。

ゼノさん曰く、この街の冒険者はロクなやつがいないらしい。

噓の報告をして報酬をもらったり、かけ出し冒険者に喧嘩を売って大怪我をさせたりなど。

聞いてるだけで耳が痛くなる。大丈夫なのだろうか...。


中に入ると、酒らしき飲み物を手に持ちながら大笑いしているいかにも柄が悪そうなおっさんが大勢いた...。あー、おっかないおっかない...

「ゼノさん、俺はどうすれば?」

「あそこのクエストカウンターまで行って冒険者登録するんだ。行ってこい」

・・・不安だ。まあ、仕方ないか...。

「・・・あの、すみません、冒険者登録をしたいんですが」


冒険者は五段階に分けられている、

上からSランク・Aランク・Bランク・Cランク・Dランクだ。

クエストをこなしていくと上がっていく仕組みらしい。

これで俺も冒険者だ。一番下だけど...。


よし、これで登録できたし、ゼノさんのところへ...。

・・・ん?視線を感じる...。

振り返ると何人かのおっさんが俺に向かって視線を飛ばしていた。

なんだ?あっ、ヤッベ、目、合わせちまった...。

すると、おっさん集団のうち一人が立ち上がり、不敵な笑みを浮かべながらこっちに近づいてきた...。

「なぁ坊主、俺今金がなくってよぉ、くれねえか?今度返すからさぁ」

はぁ...、勘弁してほしい、どの世界でも、こういうチンピラが存在する法則でもあるのか...。

適当な言い訳をして切り抜けるか...。

「・・・すいません、今持ち合わせがなくて」

「あぁ?」

奴は腰に装備してある短剣を抜きとろうとしていた。

・・・マジかよ、こいつ...。

どうする?金だけ渡して逃げるか?


いや、よく考えろ。ここで金を渡してしまったら、これからもいい金づるとして利用され続け、

なめられ続けるだろう。

そんなのごめんだ。となれば、やるべきなのはなめられないよう行動すること。

俺は自分の武器に手を移動させ、いつでも戦えるようにした。

本気でやろうってんなら、とことんやってやろうじゃねえか


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