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第七話「トリガー」

ゼノさんと家に帰った後、飯を食い、俺は死体のように眠り、

干し草の自然豊かな香りとともに目覚めた。


・・・・・昨日のことが頭から離れない

狼を倒したこと、昨日の肉がうまかったこと、

近くで寝ている美女がてえてえこと。

色々あるがやはり、傷のことが一番気になる...。

ゼノさんは治癒魔術を使っていなかった。

つまり、俺自身が怪我をしたということがトリガーになって、

治癒に関する何かを発動させたということだ。

だが、俺はまだ魔術に関してはからっきしだし、魔力を外に出すこともできな...い

・・・・・外に出す?もしかして...。


俺は壁に立てかけてある短剣を手に取り、片方の手を、あまり力をいれずに斬った。

小さな傷ができ、血が流れている...。

だが、次の瞬間、流れていた道筋を戻るように、血は傷口に戻っていき、

何事もなかったかのように傷口が塞がっていく...。

・・・なるほど。

傷口が塞がる瞬間、体から血ではない何かが体の外に流れていく感覚があった。

つまり、体内に溜まった魔力が、体にできた傷口を出口として通り、放出され、

元から備わっている何らかのガイアが、自動的に発動した、ということだろう。

まあ、あくまで仮説だ、間違ってるかもしれない、

色々検証してみるっきゃねえな・・・。

だけど、この仮説が正しいなら、俺は魔力を出すためには、毎回体のどこかを傷つけないといけないのか?だとしたら不便すぎる...。


「・・・ふぁぁ、おぉ、おはようミナミ、今日は早いな」

あくびをしながら朝の挨拶だとっ‼やっべ、にやけそう...。

「おはようございます、ゼノさん」

緩みそうな口をなんとか止め、一日の始まりの挨拶をした。

「・・・それは」

彼女の目線の先には、血を垂らしていた傷が元に戻っていく様子が映っていた。

「自傷行為によって魔力を放出しているのか?」

さっすがゼノパイセン、すべてお見通しというわけか。

「はい、これで俺も少しは魔術が使えるようにならないかなと...」

「うーむ・・・、悪くはないと思うが、あくまでそれは、無理やり魔力を放っているに過ぎない。使い過ぎて変に癖になってしまうこともあるはずだ」

やはり、ダメだろうか...。

「まあ、魔導書が手に入るまでの繋ぎとして使うくらいならいいと思うぞ」

おっ、よかった...、これで俺も魔術が使える、やったね。

「さて、飯を食って剣術の鍛錬を始めよう」

「はい‼」

とりあえず、これで魔術の練習を開始できる...。


_____


半年後


カンッ‼カンッ‼

木剣がぶつかり合う音が森中に響き渡っている。

俺とゼノさんの木剣だ。

お互い一度距離を取った。

ゼノさんは素早くスッテプを踏み、近づいてくる。俺は近づいてくるゼノさんを

左回りに大きく避け、木剣を振り下ろした。

ゼノさんは咄嗟にステップを踏みなおした。避けられたのだ。

すさまじい速さで俺に急接近し、俺の腹目掛けて、木剣を振った。

なんとか防いだ俺は、衝撃に押され、後ろに下がった。

「この速さに対応できるのは大したものだ、これならそこらの魔物は楽に倒せるだろう」

「そうですかね...、あまり実感できません」

「最初は誰だってそういうものだ」


この半年間、剣術はもちろん、魔術の方もそれなりに進歩してきた。

魔術の方は、

・体外での魔力操作

・魔術とガイアをそれぞれ単体で使用する

この二つに分けて練習をした。

魔力が外に出る量は、出口になる傷がどれだけ広いか、深いかによって決まる。

広ければ広いほど、深ければ深いほど放出される量が多くなることが分かった。


ガイアを使ってみたが、やはり、俺のガイアは回復なのだろう。

癒魔術よりは強力らしく、かなり多くの出血をしていた馬を、

何事もなかったかのように治してしまった。

ただ、ここで少し疑問が残る、怪我を治すとき、傷口に血が戻って行ったり、

服までもが元通りになるのは、治癒魔術とは特徴が異なるのだ。


治癒魔術は、負傷している箇所に新しい肉体を生成する術だ。

地面に飛び散った血を元の場所に戻したり、

破れた服を元に戻したりはできないはず...。

・・・まあ、いいか...。その辺は後々考えよう。


魔術の方は、魔力を使い、初級ではあるが、火や水などの物質に変化させ、発射することはできたが、意識せずに変化させると、ガイアの特性も混ざって、

なんでも回復する術になってしまった。

これでは意味がないので、ひたすらイメトレをし、火や水、風などの魔術を単体で使うことはできるようになった。


「ミナミ、そろそろ冒険者になってみないか?」

そういえば、冒険者になると決めてから一年半か...。

あっという間だな...。

「そうですね、俺も金を稼がないといけませんし」

「決まりだな、支度しておいてくれ、しばらくしたら街に出よう」

街か、そういえば行ったことなかったな...。

買い出しやらなんやらはいつもゼノさんに任せっきりだったし、

楽しみだ。

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