第一話「プロローグ」
オッスオッス俺の名前は...バンっ‼
おっと俺の渾身の自己紹介を邪魔するとは,どつきまわされたいのだろうか。
「よっ、間抜けな顔してますなあ田村さんよお」
「うるせえな、これは生まれつきだ...」
ここで数少ない知り合いの倉井正人さんの登場です。
本来ならここで可愛らしい幼馴染やヒロインポジの少女が出てくる場面だが、あいにく、俺はそういうことには縁もゆかりもないので期待しないでほしい、あクソ、自分で言ってて涙が出てきそうだ。
「おいおい、いくら俺がボーっとしてるって言ったからってなくことはねえだろ」
おっと、どうやら俺の目から聖水が炸裂してしまったらしい、いや別にそういうヒロイン的ポジの少女がいてほしいわけではないんよ...ほんとよ...
よし改めて自己紹介をしよう。コホンッ、オッスオッスオラの名前は...ボンッ‼
何?この町では頭を叩くのがあいさつなのだろうか...
「はいどーもこんにちは。盆暗お二人さん」
はいここで二人目の俺のクラスメイトの青葉緑くんのご登場です。
「なんですかいなんですかい、あなた方は人の頭を叩くのが趣味なんですかい?」
「そんなわけなかろうて、アホナノ?」
クソこいつ殴ってやりてえ、まあ、そんなことはどうでもいい。問題なのは今現在俺のクラスメイトの中の5人が前々から計画していた肝試しという陽キャやリア充がやりそうなイベントが進行中ということだ。その中の青葉と倉井に引っ張られて俺は抵抗むなしく参戦し現在6人で肝試し進行中。ああ...正直メンドイ...早く家に帰ってアニメ見ながらゲームしてグータラ生活したい。ていうかこいつらはなぜせっかくの夏休みだっていうのにわざわざクソ熱い外に出て心霊スポットなどに行こうと思えるのだ...。
「どうしたよどうしたよ、いくら夏休みに無理やり連れだしたからってそんな不機嫌そうな顔しなくてもいいじゃないの」
「不機嫌そうじゃなくて不機嫌なんだよ...」
おっと忘れるところだったこんな奴に構ってる場合じゃねえ、コホンッ俺の名前は...
ていうかなんか騒がしいな、なんかあったのか?
「なんだろこれ...」「気持ちわりいな...」
二人の目線の先にはラノベによくでてきそうなでかいなにかの紋様が地面に描かれていた。
「なんかおもしろそうだな‼」
そう言ってクラスメイトの一人が好奇心で近づき、紋様に触れた。
その瞬間この廃屋が揺れ、その紋様が光り輝き俺の意識はシャットダウンした...。