オリバーの冒険記録
初めての作品なので至らぬ所が多々あると思いますが暖かい目で読んで頂けると幸いです
15歳になったオリバーは幼い頃からの夢である冒険者になるために冒険者ギルドの受け付けに立っていた。
「すみません。冒険者になりたいんですけど、登録できますか?」
「はい。可能ですよ。説明はお聞きになりますか?」
「あ、はい。一応お願いします」
オリバーは今は亡き父に冒険者についての話は一通り聞いていたが念のために確認しておこうと思い受付嬢に頼んだ。
「それではまずランクから説明させて頂きます。ランク分けはまず大きく分けて2つあります。ソロランクとチームランクですソロランクは通常AからGまでの7つに分けられていています。チームランクはAからEまでの5段階です。
ちなみに両ランクともAランクの上に特別ランクがありますが今は説明を省かさせて頂きます。
ここまではよろしいですか?」
「はい」
「次にランクアップの方法ですが機密情報になりますので詳しくはお話できませんが、大雑把に説明させて頂きますと依頼人からの評価、ギルドからの評価、クエストをこなした数等がございます。」
「はい」
何故ランクアップの内容が機密扱いなのは権力による不正を防ぐためである。
これもオリバーは父から聞いていた。
「次にクエストについてですが、これも大きく分けて2つあります。指名クエストと通常クエストです。通常クエストはランクさえ合っていれば誰でも受ける事が可能です。しかし、指名クエストにおいては指名された方もしくは一定の条件を満たしている方のみ受注可能です。
以上が説明になります。」
「わかりました。丁寧な説明ありがとうございます。」
「いえいえこれも仕事ですから。ちなみにオリバーさんは登録したばかりなのでGランクになります。Gランクの通常クエストはあちら側になります。お気をつけて。」と言って受付嬢は後方のGランクのクエストボードを指していた。
「ありがとうございます。」
オリバーはそうお礼を言いその場所に向かおうとした瞬間…
「おいおい、こんなガキが登録するのか?冷やかしは止めてママのおっぱいでも吸ってろや。ギャハハハ」そう声をかけてきたのはガタイの良い冒険者だった。
「やめとけよ、あのガキが持ってるの<禁忌の武器>だぜ。演技の悪いったらありゃしねえ」
そう言ったのは男のパーティーメンバーだろうかそれはともかく<禁忌の武器>というのは形は通常の武器とさほど変わりはないが色が違うのである。<禁忌の武器>は総じて漆黒である。
また、オリバーの持っていた長剣も鞘から柄まで漆黒だった。
だが決して色だけが違いではない。違いは性能である。全く同じ武器があるなら<禁忌の武器>の方がはるかに性能が良い。それなのに冒険者達が忌み嫌っているのは<禁忌の武器>ができるのは人の死と関係しているからである。
通常の武器に強い思い(善悪どちらでも良い)を込めることで<禁忌の武器>ができる。その際思いを込めた者は亡くなるという代物であった。
だから冒険者達は<禁忌の武器>を忌み嫌う。それを持っているということは誰か親しい人を守りきることができたかったという結論につながるからである。
オリバー自身も理解していた。しかし、戒めとして常に<禁忌の武器>を携帯していた。
そして今までも何回か同じ事を言われていたので無視していた。
しかし、その冒険者達は無視されるのが気にくわなかったのか
「何無視してんだよ!<禁忌の武器>持ちのくせに、今度は誰を死なせるんだ?親か?恋人か?ギャハハハ」
オリバーは本来おとなしい青年である。しかし、彼は<禁忌の武器>の事とあることについては敏感だった。
「なあ、ガキは早くかえr」
「黙れ!それ以上口を開くと斬るぞ!」
そう言ってオリバーは鞘から長剣を''異常な速さ''で抜き放ち切っ先を男に向けていた。
そう、オリバーは理解していた。<禁忌の武器>は武器そのものの性能が良くなるだけでなく他にも能力があることを
切っ先を向けられた男は黙りオリバーは剣を納めGランクのクエストボードに向かっていった
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