秘密の会議とゴザ村への帰郷【一】
【※読者の皆様へ、とても大切なお願い】
先日はじめたラブコメの新連載が、本日ついに完結しました!
タイトル:幼なじみの白雪姫は、両片思いに気付かない~天才たちのすれ違いラブコメ~
絶対に損はさせませんので、どうかぜひ第1話だけでも読んでみてください!
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三月二十七日。
俺はこの日、とある大切な会議に参加することになっていた。
出席者は国のトップである天子様、皇族派筆頭のロディスさん、アークストリア家次期当主の会長――そして何故か俺……敢えて属性を付すならば、『ゴザ村代表』か『一般参加枠』と言ったところだろうか。
「――それじゃリア、ちょっと行ってくるよ」
「うん、気を付けてね」
皇族派の方針を決める大切な会議ということもあり、ヴェステリアの王女であるリアの出席は、さすがに認められなかった。
(俺なんか呼んでも、なんの役にも立たないと思うんだけどなぁ……)
自慢できることではないけれど、政治のことは本当に何もわからない。
皇族派と貴族派が争っていたり、主要四大国が足並みを揃えられなかったり、裏切り者がいるかもしれなかったり……これまでいろいろな話を聞かされてきたが、正直どれも俺の手に余る話ばかりだ。
自分が生きてきた中で体験した、唯一の『政治っぽい』ことと言えば……かつてゴザ村で起きた『水稲耕作派』と『酪農派』の争いだろうか。
それもまぁ、争いというにはかなり小規模というか……。
数日のうちに「どっちも頑張って村を盛り上げていこう!」という感じでまとまった。
(とりあえず、変な発言で場を乱すことはないようにしなきゃな……)
そんなことを考えながら、オーレストの街を進んでいると、あっという間にリーンガード宮殿へ到着。
「――あっ。アレンくん、こっちこっち!」
宮殿の扉の前に、制服姿の会長が立っていた。
どうやら、俺のことを待っていてくれたみたいだ。
「会長、おはようございます」
「おはよう、アレンくん。今日は来てくれてありがとう、本当に助かるわ。予定とか、大丈夫だった?」
「はい、問題ありません」
俺の予定と言えば、素振りぐらいのものだし、それも今朝方にちゃんと済ませてきた。
「それにしても、まだちょっと冷えるわねぇ……。お姉さん今朝なんて、中々布団から出られなかったもの」
「あー、なんだかとても想像できる光景ですね」
「……ねぇそれ、どういう意味かしら?」
「あはは、冗談ですよ」
そんな雑談を交わしながら、天子様の待つ宮殿の上層へ向かう。
北の螺旋階段を登り、東の連絡通路を渡って、南のテラスでスロープを下った後、西の大階段で再び上層へ。
(……凄いな、まるで立体迷路みたいだ)
おそらく有事の際に備えて、わざとこういう複雑な構造にしているのだろう。
天子様のところへは、簡単に辿り着けないようになっていた。
それからしばらくして、会長がピタリと足を止める。
「っと、ここね」
「『ここ』、ですか……?」
俺たちが今いるこの場所は、長い廊下のド真ん中――左右にあるのは、白い壁だけだ。
「ふふっ、ちょっと見ててね?」
彼女はそう言うと、右側の壁をコン・コン・コン・コンと特定部位を独特なテンポでノックしていく。
すると次の瞬間、ガゴンという大きな音が鳴り、左側の白い壁が両サイドへスライドしていき――その奥から立派な扉が現れた。
「これは隠し部屋!?」
「ふふっ、驚いたでしょ?」
会長はどこか自慢げな表情で微笑み、扉のもとへ歩き出す。
「天子様とお父さんはこの先よ。さぁ、行きましょう」
「はい」
こうして俺はリーンガード皇国の国策を決める、途轍もなく重要な会議へ参加するのだった。
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