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一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた~落第剣士の学院無双~  作者: 月島 秀一


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桜の国チェリンと七聖剣【百四十四】


「は、はは……こりゃ参った……。ここまでやりづらい相手は、初めてですよぉ旦那ぁ……ッ」


 ディールは荒い息を繰り返しながら、一歩こちらへ踏み出した。

 そうして距離を詰めた分だけ、黒剣が奴の胸を(えぐ)っていく。


「――動くな。急所は外してあるが、重傷であることに違いはないんだ。あまり無茶をすると……死ぬぞ」


 俺が制止の声を掛けた次の瞬間、


「へ、へへ……。戦闘中に……敵の心配をするなんて――」


「――本当にお人好しですねぇ?」


 ディールの声が二つに(・・・)分かれて(・・・・)聞こえた(・・・・)


「なっ!?」


 慌てて顔を上げれば――遥か前方に完全回復を(・・・・・)果たした(・・・・)奴の姿があった。


 それと同時に黒剣の刺さった方の体は、ドロドロとした紫色の液体と化し――俺の四肢へまとわりついてきた。

 強い粘り気を持つそれは、なかなか思うように剥がれない。


「分身体……!? なるほど、そういうことか……ッ」


 ディールの放った毒龍の大顎(ヴェノム・アギト)、アレには『二つ』の狙いがあったのだ。


 一つは内部に仕込まれた毒玉を破裂させ、動けないローズたちへとどめを刺すこと。

 そしてもう一つは――俺の視界を一時的に潰し、分身とすり替わる時間を作ること。おそらくこちらが本命だろう。


 これによって奴は、猛毒の裏転(ヴェノム・リバース)で回復する時間を作り出した。

 そのうえ分身に使った毒を再利用し、今みたく俺の動きを拘束している。


飄々(ひょうひょう)としているだけかと思えば、随分と先を読んだ『手』を指してくるな……)


 ディール=ラインスタッド、本当にやりにくい男だ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 仲間が猛毒に侵されてるのに、何で一々時間稼ぎの会話に応じて、殺すのを躊躇うのかさっぱり理解出来ない
[良い点] 第一話から読んでいます!書籍版も買ってます! 最古参向けのメッセージを見て、自分が最古参であることを誇りに思います! これからも応援してます!がんばってください! [気になる点] 忙しいと…
[良い点] 久しぶりの感想欄解放ありがとうございます!! なんだかんだ初期の方から読ませて頂いていますが、これまで1年間飽きずに毎日読ませて貰ってます。 そして、3巻、4巻発売おめでとうございます!ド…
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