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桜の国チェリンと七聖剣【百十二】


 重く張り詰めた空気が流れる中、平然とした表情のフォンは、小さく首を横へ振った。


「『世界最強の剣士』バッカス=バレンシア、それはもう今や昔の話となった。現在は不治の病に侵され、『真装(しんそう)』はおろか魂装さえまともに展開できない『()(たい)の剣士』……違うか?」


「……よく調べておるのぅ。澄ました顔をして、ずいぶんと助平(すけべい)な男じゃ」


 彼は呆れた様子で、そんな軽口を漏らす。


「否定せず、つまりは『情報通り』というわけか。……残念だ。やはり弱った貴様では、バレル=ローネリアに勝てん。それどころか、七聖剣や皇帝直属の四騎士にさえ及ばんだろうな」


「ばらららら! 尻の青い小童が、えらく大きな口を利きおるわ!」


 大笑いするバッカスさんに対し、


「バッカス=バレンシア。無駄な抵抗はやめて、大人しく帝国へ来い」


 フォンは淡々と自分の要求を口にした。


「わかるだろう? 正義を為すためには、『絶対的な力』が必要なんだ。あの(・・)バレルが認め、『無敵』とまで称された幻霊億年桜。老いさらばえ、死にゆくだけの貴様には過ぎた力よ。――ふっ、光栄に思うがいい。私たちがそれを有効活用してやると言っているんだからな」


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