桜の国チェリンと七聖剣【七十七】
一時間の素振りを終えて部屋に戻った後は、ぐっすり眠ることができた。
そして――それから数日の間、俺たちはバッカスさんとローズから桜華一刀流の手ほどきを受けた。
春合宿の期間がわずか一週間と短いこともあり、桜閃・夜桜・雷桜――突き・袈裟斬り・居合斬りという基本の三種を徹底して磨き上げた。
(凄い、凄いぞ……!)
桜華一刀流の術理を取り入れることにより、日に日に鋭くなっていく斬撃。
バッカスさんというこれ以上ないお手本を見ることで、洗練されていく体捌き。
これまで味わったことのないほど、急激な成長の実感。
日を跨ぐごとに研ぎ澄まされていく剣術。
(やれる、やれるぞ……っ。俺はまだまだ強くなれる……!)
そんな風にして俺は、とてつもなく充実した時間を過ごしていく。
そして今日、いよいよ『六日目』の修業が終わった。
「「「「「――ありがとうございました!」」」」」
稽古を付けてくれたバッカスさんとローズへ、しっかり感謝の言葉を伝える。
「ばらららら! 今日もよく頑張ったのぅ! お前さんら全員、初日とは見違えるほど強くなっておるぞ!」
彼は大声をあげて笑い、満足そうに頷いた。




