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ブルンボン家の長女、メアリさんはその優れた魔法の才能から彼女の家の名前を大きくした。
以前までは王族の開くパーティーに呼ばれるような大きな力を持った貴族では無かった。
それを彼女が大きくした。
しかし、それ故に彼女らの家を恨み妬むものが出てくるのは必然だった。
彼女さえいなければ──そう思うのは、恐らく彼女のせいで立場を逆転された貴族達だろう。
「そんなに君は凄い魔法を使えるのか」
「一応、魔法検定ではA判定を貰っています」
「魔法検定?A判定?」
「はい。まあ、魔法の技量をランク付けしたものです。一番下がEで、一番上がA判定です」
「え!それって凄いじゃん!……俺みたいに魔法を使えないやつはEってこと?」
「いえ、魔法を使えない人たちはランク付けすらされませんよ。……って、え?優さんは魔法を使えないのですか?」
メアリさんは、驚いた顔を見せた。
きっと、王族の婿に選ばれる者としては、使えるのが当然だと思われていたのだろう。
ただ、残念なことに俺は魔法が都市伝説の世界からやってきたのだ。
「使えないよ!まあ、使いたいともたいして思わないけどね」
「そうなんですか?……まあ、今思えば私も使えなかったら良かったとも思いますね」
メアリさんは軽く俯く。
きっと、今回の件と関係があるのだろう。
「でも、さっき初めて魔法を見たけど、とても綺麗だったよ」
俺は笑顔で彼女にそう言った。
「でも、優さんが魔法を使えないのだとしたら……」
「どうしたの?」
「いえ、その、助けを借りようとかなと思いまして……」
なるほど、彼女はどこぞの貴族様に命を狙われて、我々にヘルプを求めたと言うことか。
でも、俺には魔法が使えないから守れないと……。
「とりあえず、事が収まるまではこの家で過ごすといいよ。ここで暮らしているのは、王族の人達しかって──何でメアリさんは知ってるの?」
「その……、最初宮殿の方に行きましたら、国王様にこちらに来るよう言われましたので……」
何を考えているんだ?あの夫婦は。
「それなら、尚更無下には出来ないね……。とりあえずこんな時間だし、ここで寝てください」
俺は床に敷かれた布団をメアリさんに譲った。
「でも、優さんは?」
「俺はそこのソファーで寝るよ」
「そんな!!私がソファーで──」
「ダメだよ!女の子はちゃんと布団で寝ないと!!
それに、女の子をソファーで寝かせるわけにはいかない。俺のジャスティスが許さない」
「……で、ではお言葉に甘えて」
「うむ、とりあえずお休み」
「はい、おやすみなさい」
彼女は俺の布団で眠りに入る。
そして、相当疲れていたのだろうか、すぐに眠ってしまった。
そして、俺はセフィリアさんの防護用に国王様に頼んで作って貰った、木刀を段ボールの中でから取り出して、家の外に出た。