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プロローグ
皆様、初めまして。作者の麦と申します。
今作がこのツール初投稿作品です。
まだまだ慣れなくて、扱い切れてませんがどうか
暖かい眼差しでご覧くださいますようお願いします。
ふりふり、と私の前で二つのしっぽを振るっている妖狐。
彼は最近勝手に私の家に居候を始めた「妖怪」の類だ(本人談)
「ねぇ、華。僕、腹減ったぞ。」
「……はいはい、準備してきますよ。」
うるんだ瞳に、白くて長い髪、頭にぴょこんと生えた毛並のいい耳。
そして、特徴的な二つの尾。
この尾は妖狐の特徴らしいのだが、こいつ以外にそんな非科学的なものには
出会ったことがないので照明などできない。
「僕稲荷がいいな。あぶらあげがすっごく甘い奴。」
小さな体を揺らしながら近寄っている様は、まるで子供ができたよう。
しかし私は、まだ学生なのだ。近所の短大の2年生。
斉藤華はまだまだピチピチの学生様なのだ。
それなのになぜ、こんな餓鬼妖怪と一緒に暮らし始めたのか。
今から説明しよう。