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 気持ち悪さと身体の痺れが無くなる。サクラかアケビが【醒め薬】と【痺れ解き】を使ってくれたようだ。直ぐに起き上がってフォレストワイアームの攻撃に備える。

「ギャァァアアアアアアアアアア!」

 今度は【アトラクトタイフーン】ではなく【ダンシングプラント】を発動してきたので、気合で避ける。【直感】や【観察眼】のスキルは所持していないからな。何処に木の根が現れるのか分からない。

 俺以外の三人も同様に混乱と麻痺から立ち直っており、ヘッドスライディングしたりしながら木の根を回避している。

 俺は避けながら自分に【解毒薬】を使用して毒の状態異常も治し、徐々に減っていた生命力は治ると共にピタリと止まる。

 そうしているうちに、またフォレストワイアームは【ワイアームブレス】を放とうとするが、今度はサクラの【ウォーターシュート】とアケビの【フラッシュレイ】を同時に口内にブチ当てられて中断される。そしてそのまま地面に墜落していく。

「おらぁ!」

「せいっ!」

「とぅ!」

「ブルァァアアアアアアアアア!」

「グルァァアアアアアアアアア!」

 召喚獣を喚び出し、ゴダイ達が先程の仕返しとばかりにスキルアーツを発動させる。ゴダイは【初級大剣術】のスキルアーツ【レイトラル】を終えると直ぐに【中級大剣術】のスキルアーツで、大上段に構えた大剣を一気に振り下ろす【ホライゾン】へと繋げる。

 アサギリは大きくに回転して切り刻む【初級大斧術】のスキルアーツ【旋風】から足に力を溜めて切り上げながら跳び、そのまま斧を振り下ろしながら着地する【中級大斧術】の【噴火】を喰らわせる。

 ツツジノは【初級長槍術】のスキルアーツ【シャヴ】を発動させてフォレストワイアームに深々と長槍を突き刺し、その状態から槍を回転させてダメージを与える【中級長槍術】の【ウィール】でダメージを与えて行く。

 ミノタウルスもガルムもスキルアーツを連発し、がりがりとフォレストワイアームの生命力を削っていく。

 で、俺達も一気に決めようと距離を詰めて魔法やスキルアーツを発動させていく。

「くらえっ」

「水よ、我が言葉により形を成し、彼の敵を押し流せっ!【ウェーブスプラッシュ】!」

「えいっ」

「みーっ!」

「れにーっ!」

「ぐるらぅ!」

 フォレストワイアームに【流星脚】からの【乱れ切り】、【ウェーブスプラッシュ】に【スラッシュ&】、【初級木魔法】の攻撃【スピアツリー】に【炎舞踏】、【シャドウショット】を叩き込んでいく。

 これだけ叩き込んでも生命力は尽きず、また飛翔しようしたフォレストワイアームの脳天に俺は【ショックハンマー】を喰らわせる。すると、運よく行動不能になってくれたので、動けない十秒の間にタコ殴り。

 それでも倒し切れずに飛翔を許してしまうも、向こうは死に体らしく、翼をはばたかせる力が弱く、動きも鈍くなっている。

「ギ、ギャァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……!」

 空に逃げて直ぐフォレストワイアームは【ダンシングプラント】を発動し、そして風の刃を発生させて俺達を攻撃してくる。風の刃はその数を増しており、しかも【ダンシングプラント】を避けた先に降り注いでくる。

 避けた先にも攻撃を仕掛けて来るとは……。こちらの生命力も削られるが、戦況は俺達に分がある。慌てず騒がず【生命薬】で回復する。

 更に【ダンシングプラント】と風の刃、薙ぎ払いで攻撃してくる。弱ってる見た目とは違い、攻撃はより苛烈になっていく。そして、今度はなかなか【ワイアームブレス】を放ってこない。あれを使ってこないと地面に引き摺り下ろせないんだけどなぁ……。

 ただ、サクラ、アケビ、キマイラの魔法で攻撃してるのでダメージは与えている。何かもう、このまま引き摺り下ろすのを諦めて魔法の集中砲火を喰らわせて生命力を0にした方が早いかもしれない。

 が、ここでキマイラの召喚時間が終了して戻ってしまい、攻撃の手が減ってしまう。向こうの攻撃の手は緩む事無く攻撃してくる。ここまで激しいと俺も【シュートハンマー】で加勢しても、弾き飛ばされてキャッチに失敗、【AMチェンジ】のデメリットを喰らう。……何て事態になりそうだったので大人しくサポートに。

「ギャァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼」

 ――――回ろうとしたのだが、直ぐに【アトラクトタイフーン】を発動してきて、俺達を引き寄せに掛かる。

「ギャァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼」

 そして、直ぐ様【ダンシングプラント】を発動させてくる。引き寄せられている今は上手く立ち上がれずに避ける事が出来ない。

「くっ」

「みーっ」

 俺と近くにいたパルミーは【ダンシングプラント】で打ち上げられ、【アトラクトタイフーン】に巻き込まれて宙を舞う。ヤバい……気持ち悪くなってきた……。

「ギャァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼」

 そして、息を吸い込む動作……。マジかよ、ここで【ワイアームブレス】を……。【アトラクトタイフーン】で身動きをある程度封じて、【ダンシングプラント】で打ち上げて竜巻に巻き込み完全に行動不能にしてから、【ワイアームブレス】を放つ……。

 ぐるぐるとフォレストワイアームの……しかも口よりも下の方を周りをまわってるから、宙に舞っていてもブレスは普通に喰らう。地面にいる奴も背後と真下にいないと喰らう。頭使ってないか? こいつ?

 で、【ダンシングプラント】を喰らう前に見たけど、運が悪い、事に、サクラとアケビは口内と背部に魔法を放てる位置にいない…………。【カバーツリー】を使える俺と、パルミーは竜巻に巻き込まれて、ランデブー。【カバーツリー】は視認して指定した、場所に木の根を出現させるので、現状サクラとアケビを守るのはかなりキツイ。つか、きもちわるい……。

 …………こうなったら、賭けだ。

 俺は体をフォレストワイアームに向け、ショートカットウィンドウにセットした【醒め薬】を使いながら魔法を詠唱する。

「無よ、我が言葉により形を成し、彼の敵を撃ち貫け。【シュートスター】」

 竜巻に巻き込まれながら放った【シュートスター】はギリギリでフォレストワイアームの口内に当たり、放つ寸前だった【ワイアームブレス】の妨害に成功。

 ……あぁ、成功してよかった……。ブレスを妨害する方法は背部に強烈な攻撃を与えるか、口内に魔法を当てるかの二つだ。

 俺は【初級木魔法】と【初級無魔法】のスキルを二つ新たに覚えた。ただし、俺はあくまで魔法は妨害やステータス強化のサポートを目的として習得したので魔力のステータスには1たりともSPを振っていない。なので、攻撃魔法の威力は0だ。

 俺の放った【シュートスター】の威力も勿論ない。けれど、【ワイアームブレス】の妨害は威力に関係なく口内に魔法を当てればいいらしい。実際に威力0の【シュートスター】を喰らったフォレストワイアームはブレスを吐けず地面に落ちた。

 一か八かだったけど、成功してよかった……。下手すると全滅の危険あったけど。

 そして、【アトラクトタイフーン】が消えて落ちて行く俺とパルミーの目にはスキルアーツと魔法の一斉攻撃を受け、光となって消えて行くフォレストワイアームの姿が映った。


『フォレストワイアームを倒した。

 経験値を2000手に入れた。

 森林蛇竜の尾×1を手に入れた。

 森林蛇竜の鱗×1を手に入れた。

 森林蛇竜の牙×1を手に入れた。

 レベルが上がった。       』


 あ、ちゃんとウィンドウが表示されて倒した旨がこちらにも伝わる。

 そんな事よりも、だ。

「がっ」

 俺は直ぐ様パルミーを手繰り寄せ、自分をクッションにしてパルミーを落下の衝撃から守る。痛い……首の骨が折れるかと思った……。生命力も削れたし……死に戻りしなかっただけマシだけどさ。



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