Other Part3-2
「へぇ。だからそんなに傷心なのか」
傷心…。
あぁ、そうだな。それもかなり重度の。
「……あ、そう言えばさ」
急に何かを思い出したように祥吾が言った。
「この間お前が外回り行ってた時、谷川が何か嗅ぎ回ってたぞ」
「谷川?」
またあいつかよ。
いい加減うぜぇ。
「他のやつは知らんが、俺にはお前の好みを聞いてきたな。
食べ物じゃなくて、女の子の方」
俺の好み知ってどうすんだよ。
「あいつ、最近やたら俺に話しかけてくるんだよな」
「お前のこと好きなんじゃね?」
祥吾の言葉に思わず眉をひそめる。
「俺ケバケバした女嫌いなんだよ」
すんごい厚化粧してて、いかにも媚びてる感じの女。
「ははっ。違う部署でよかったな」
「ホント」
同じ部署とか絶対耐えられない。
「…俺ちょっと自販機行ってくる」
「あ、ついでにジュース頼むわ」
祥吾からお金を受け取り、俺は自販機のある廊下へ向かった。
会えないって、こんなにも辛いんだな。
なんて呟きながら。
─────……………
「ねぇ、祐実。あの女どうなったのよ」
「あの女?」
自販機の隣にある喫煙所から、女の声が聞こえてきた。
どんだけでかい声で喋ってんだよ。
丸聞こえだっつーの。
と、心の中で馬鹿にしながらジュースを選んでいた俺は、次の瞬間、息が詰まった。
「ほら、この前言ってたじゃん。
『Dear Heart』だっけ?
そこで働いてる女脅すんだって」
……は?




