Second-2
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「先輩!先輩!」
喫茶店の制服に着替えると、すでに来ていた桃がパタパタと駆け寄ってきた。
「あれ?桃、今日学校は?」
「今日は昼から学校休みなんです。
だからシフト入れてもらって…。
…ってそんなことどうでもいいんです!」
桃はすごい形相で切り返す。
「どうしたの?」
「あのイケメン客いるじゃないですか!?
桃、気づいたんですけど…。
あの人毎日来てるんです…!!」
へ…?
そうだっけ?
確かに最近よく見るなぁとは思ってたけど…。
「しかも、昨日先輩休みだったじゃないですか。
昨日は、来たと思ったらすぐ帰ったんです!」
「う、うん…」
「桃の勘ですと、あの人絶対、未音先輩狙いですよ!!」
………。
そうなのかな…。
「声掛けられました?」
「あ、うん…」
「ほら、やっぱり!」
「でも私断ったよ?」
あれから特に何もなかったし…。
「……甘いですね、先輩」
桃に見下すような目で見られる。
ちょ…、私年上なんだけど…。
「あのストーカーの事を忘れたんですか…?」
うっ…。
「忘れて…ません…」
「ですよね!?」
桃は腰に手を当てて、諭すように私に言う。
「とにかく!
あの人いつも6時くらいにここ来ますから、その時間帯、先輩は表に出ないでください!」
「でも…」
「茜先輩が来たらフォローしてもらいます!
未音先輩は大人しくしててくださいね!?」
「…は、はい」
私が返事をすると、桃は納得したように去っていった。
心配…してくれるのは嬉しいけど…。
「年下にまくし立てられる私って…」
……情けない。