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Dear Heart  作者: 藍原未羽
5/57

Second-2




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─────────────



「先輩!先輩!」



喫茶店の制服に着替えると、すでに来ていた桃がパタパタと駆け寄ってきた。



「あれ?桃、今日学校は?」


「今日は昼から学校休みなんです。

だからシフト入れてもらって…。

…ってそんなことどうでもいいんです!」



桃はすごい形相で切り返す。



「どうしたの?」


「あのイケメン客いるじゃないですか!?

桃、気づいたんですけど…。

あの人毎日来てるんです…!!」



へ…?


そうだっけ?


確かに最近よく見るなぁとは思ってたけど…。



「しかも、昨日先輩休みだったじゃないですか。

昨日は、来たと思ったらすぐ帰ったんです!」


「う、うん…」


「桃の勘ですと、あの人絶対、未音先輩狙いですよ!!」



………。


そうなのかな…。



「声掛けられました?」


「あ、うん…」


「ほら、やっぱり!」


「でも私断ったよ?」



あれから特に何もなかったし…。



「……甘いですね、先輩」



桃に見下すような目で見られる。


ちょ…、私年上なんだけど…。



「あのストーカーの事を忘れたんですか…?」



うっ…。



「忘れて…ません…」


「ですよね!?」



桃は腰に手を当てて、諭すように私に言う。



「とにかく!

あの人いつも6時くらいにここ来ますから、その時間帯、先輩は表に出ないでください!」


「でも…」


「茜先輩が来たらフォローしてもらいます!

未音先輩は大人しくしててくださいね!?」


「…は、はい」



私が返事をすると、桃は納得したように去っていった。


心配…してくれるのは嬉しいけど…。



「年下にまくし立てられる私って…」



……情けない。






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