Eighth-4
「う……、ぐっ…」
「あんたがまだあの場所にいるせいで…、彼は…」
彼…?彼って誰…?
訳がわからない…。
「……あ、…」
苦しい…、息が…。
「あんたがいなければ…っ、彼は私を見てくれるのに…!!」
私がいなければ……、あなたを見る…?
「冬哉は…、私のものよ!!」
「……!?……あ…」
とう…や…?
女性の手にさらに力が入り、意識が飛びかけたその時、かすかに声が聞こえた。
「未音ー!!」
私の名を叫ぶ、誰かの声。
「…チッ」
女性はすぐに手を離し、走ってどこかへ行った。
「ゲホッ…ゲホゲホッ…ゴホッ…」
「未音、大丈夫!?」
駆け寄ってきたのは、茜だった。
「あ…かね、ゴホッ……わた、し…」
「いい。喋らなくていいから。
ほら、ゆっくり深呼吸して」
茜の掛け声に合わせ、咳をしながらも呼吸をすると、少しずつ落ち着いてきた。
「はぁ…っ、はぁ…っ、…ゲホッ…。
…はぁ……」
く、苦しかった…。
本当に死ぬかと…。
「未音、今日はバイト休もう。
私が店長に説明しておくから」
茜の気遣いが嬉しくて泣きそうになったけど、我慢して私は頷いた。
「大丈夫?立てる?
家まで送ってあげるね」
茜に支えられながら、私はトボトボと家まで帰った。
首を絞められながら、思い出したことがある。
あの女性は、駅前のレストランで冬哉の隣にいた、冬哉にくっついていた女性だった。
名前は確か…谷川、さん。
あの女性であったことももちろんだけど。
何より、初めて首を絞められたというショックが大きくて。
その後どう過ごしたかは、覚えてない。




