44/57
Eighth-1
─Eighth Time─
「いらっしゃいませー!」
あの日から数日。
信じると決めたことと、冬哉の言葉とで、私の気持ちはだいぶ晴れていた。
その後あの女の人とどうなったのかは聞いていないけど。
「未音、6番テーブルにこの紅茶お願い」
「あ、はい」
紅茶を受け取り、6番テーブルに向かう。
「お待たせしました」
6番テーブルのお客さまは1人で、女性だった。
「ごゆっくりどうぞ」
紅茶を置き、下がろうとすると、女性が「ねぇ」と声をかけてきた。
「はい、何でしょう?」
振り返ると、女性は何を言うでもなく、ジッと私の顔を見てくる。
この女性…どこかで…。
「……ごめんなさい。何でもないわ」
「…?…はい」
まぁ、1日にたくさんの人を見るわけだし、見たことある人がいても不思議じゃないものね。
と1人で納得し、仕事に戻った。
─────……………
そして、それはある日のことだった。
「あそこのイタリアンもなかなか美味しかったね!」
「うんっ」
茜と昼食を食べた後、私たちは信号待ちをしていた。
「…何か、長いね、信号」
「うん…」
信号はまだ変わりそうになく、車がたくさん前を通っていた。
そんな、時だった。
ドンッ
「えっ…」
背中を、誰かに押された。
「未音…!!」
「……っ!」




