Seventh-6
「……なぁ未音」
「………」
車の中で。
私は冬哉の方を一切見ず、黙り込んでいた。
「…何で怒ってんの?」
「………」
別に怒ってるわけじゃない。
ただ、自分の中で整理がつくまで、話したくないだけ。
「…悪いけど、何でそんな態度されるのかわからない。
俺何かした?」
そうだよね。
昨日レストランに私がいたこと、冬哉は知らないもんね。
それはわからないと思う。
でも…
「……ほっといて」
忘れることはできないけど。
心の奥に仕舞い込むまで。
触れないでほしい。
「……未音」
アパートの駐車場に着き、冬哉が伺うようにこちらを見る。
「このままじゃ、…俺が嫌だ」
冬哉が私の頬に手を添え、自分の方へ顔を向かせるようにした。
顔は向いてしまったけど、私は視線を逸らす。
「でも俺…、表情から読み取るのとか得意じゃないから…、言ってほしい…」
見てないからわからないけど、たぶん冬哉は、泣きそうな顔をしている。
「言って、未音。何でもいいから…」
「………」
冬哉の押しに負けて、私はゆっくりと口を開いた。
「昨日、駅前のレストランで…、…冬哉を見たの…」
冬哉は「昨日…?……あっ」と、何かを思い出したようだった。
「冬哉…女の人と……、」
そこまで言って、私は慌てて口を閉じた。
私…、まだ好きだって言ってないのに…。
こんなことを言ってしまったらバレちゃうんじゃ…。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、冬哉は小さな声で言った。
「未音……、それって…嫉妬…?」




