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Seventh-3
「桃?どうかしたの?」
「………。
…いや、…桃の、勘違いだったみたいです」
声をかけると、桃はペタンと椅子に座った。
何かを考えているのか、桃の顔は強張っている。
「桃…?」
私と茜は、顔を見合わせて首を傾げた。
─────……………
料理が運ばれて、ほとんど食べ終わった頃、トイレに行きたくなってしまった。
「私、ちょっとお手洗い行ってくるね」
2人に断り、トイレに行った。
それが終わって席に戻ろうとすると、ふと聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「……この声、冬哉?」
聞き間違いかもしれない。
でも近くにいるのかもと思うと、探さずにはいられなかった。
「どこにいるんだろ。
…あ、いた。……って、…え?」
窓際の席に、冬哉を見つけた。
けれど同時に、隣に座る女の人も見つけてしまった。
一瞬ドキリとしたが、よく見てみれば何人かできているみたいだった。
他にも、男性や女性が同じテーブルにいたから。
それだけ。
それだけだったら、さほど気にならなかったかもしれない。
社会人には、付き合いとかいろいろあると思うし。
…でも、違った。
女の人と冬哉の距離は、異常なほど近かった。
冬哉も、嫌がっているように見えない。
「……っ」
その光景を見た瞬間、ズキリと胸が痛み、私の足は自然と早歩きになっていた。




