Sixth-6
─────……………
「……あのね、冬哉。
聞いて欲しいことがあるの」
「ん?」
夕食後。2人でコーヒーを飲んでいる中、私は冬哉に話しかけた。
ある事を、話すために。
「私ね…、冬哉と出会う二週間前まで…ストーカー被害にあってたの…」
「………」
冬哉は何かを察したのか、黙って私を抱きしめた。
私もそのままの状態で話すことにした。
「最初は、お店によく来るお客さまだな、くらいにしか思わなかった。
でも、気が付いたらいつも彼に見られてて…」
思い出すと、今でも震える。
「…家の前まで来た時は、もう…怖くて、怖くて…。
……でも、ある日急に姿を見せなくなって…。
ストーカーが消えたの…」
本当に、突然だった。
「それから一度も来なくなったから、彼はもうストーカーを止めたんだって…そう、思ったの…」
私が肩を震わせると、冬哉は背中を撫でてくれた。
「なのに…なのに…、最近になってまた現れて……、それで…、今日…!」
それ以上は言えなかった。
震えて顔を押し付ける私の背中を、冬哉は静かに「大丈夫…大丈夫…」と呟きながら、ずっと撫でてくれていた。
それだけだけど、すごく温かくて、すごく安心した。
「とう…や…」
すると、今日色々なことがあって疲れたせいか、だんだんと眠くなってきた。
薄れゆく意識の中で、冬哉の笑顔を見たことだけは覚えている。
ついでに、ゆらゆら揺れる感覚も。
ねぇ、冬哉…
私、冬哉に言いたいことがあるの…。
照れくさくて、まだ直接は言えないけれど…。
いつかちゃんと、冬哉に向けて言うから…。
だからその時まで…その時まで待ってて…。
冬哉…。
私、冬哉のこと、大好きだよ…。




