Sixth-5
ジー…。
私はずっと、冬哉の手元を見ていた。
何か…すごい。とにかくすごい。
「……未音、そんなに見られるとやりにくいんだけど」
そう言いながらも、冬哉は手を休めない。
冬哉の提案とは、私にとってかなり意外なものだった。
言われた時に、ひょっとしてどこかのお店に連れて行ってくれるのかなと思ったけど、違った。
「ねぇ、何作ってるの?」
「ん?…ハンバーグ」
何と、冬哉自身が晩ご飯を作ると言い出したのだ。
「やったぁっ。ハンバーグ大好きっ」
「すぐ作るから大人しく待ってろ」
喜ぶ私を見て、冬哉はクスッと笑った。
何だろう、何て言っていいのかわからないけど…。
冬哉が料理してる姿が…、すごくかっこいい。
私はじっと大人しく、冬哉が料理をしている光景を見ていた。
─────……………
「ほら、できたぞ」
「うわぁっ…!」
私はテーブルに置かれたハンバーグを見て、溜め息にも似た感嘆の声を漏らした。
冬哉の作ったハンバーグは、レストランに出てきてもおかしくないくらいの出来だった。
「眺めてないでさっさと食え」
「う、うん…!」
パクッと一口だけ食べてみる。
「……!!…おいしいっ!!」
お肉も柔らかいし、デミグラスソースもすごくおいしい。
「冬哉って料理上手なんだね!
びっくりした!」
モグモグ食べながら不意に冬哉を見ると、冬哉は私を見ながらニコニコしていた。
「どうしたの?食べないの?」
「ん?いや…」
私が聞くと、冬哉は笑いながら、さらに私を見つめてきた。
そして、
「俺の作った料理を美味いって食べてる未音の顔、すげぇ可愛いなって…」
と言ってきた。
ボンッと音がしそうなくらい、顔が赤くなったのがわかる。
な、なんでそんなこと今言うのかな…!?
「……可愛くないよ」
「可愛いっつーの」
ククッと喉を鳴らせて、冬哉は自分のハンバーグを食べ始めた。
私は恥ずかしさもあって、黙ったままハンバーグを食べ続けた。




