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Dear Heart  作者: 藍原未羽
33/57

Sixth-3




ゆっくりと目を開くと、目の前には冬哉がいた。



「…ぇ、……え?

……とう、や…?」



冬哉は肩で息をしながら、怖い顔で下を見ていた。


私も同じように見ると、倒れて気を失っている男がいた。



「……冬哉…」


「…っ!」



私が声を掛けると、冬哉はハッとなってこちらを向いた。



「未音っ…!大丈夫か!?」



私の肩をガシッと持って、すごい勢いでそう言う。


私が何度も縦に首を振ると、溜め息をついてその場に座り込んだ。



「え…!?ちょっ…」



びっくりして駆け寄るが、冬哉はそのままだった。


でも、



「俺…もう、ダメだと思った……。

マジで死ぬかと……」



そう言って顔を上げた冬哉の目は涙で潤んでいて、



「未音が無事で……本当によかった…」



私を優しく抱きしめてくれた。



「………ふぇ…」



冬哉に抱きしめられて安心したからか、涙が溢れてくる。



「……うっ……ぅえっ…」



声を出さないように泣いていると、冬哉がそっと、頭を撫でてくれた。



「う…うああぁぁぁあん…!!」



それを合図にしたかのように、私は声を上げて泣き出した。


ずっとずっと、泣いていた。


その間も冬哉は、何も言わず頭を撫でてくれていた。



─────……………



「…未音、目ぇ腫れてんな」


「………うるさい」



車の中で、冬哉が私をからかってきた。



「帰ったらすぐ冷やそうな」



でもすぐに優しい言葉をかけてきて、私は何も言えなくなる。



あの後、私がひとしきり泣いた後、冬哉が警察に連絡したから、あの男は逮捕された。


殺人未遂で。


私と冬哉も警察の人にいろいろ聞かれて、帰る頃には夕方になっていた。


それで、冬哉が家まで送ってくれることになった。






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