Sixth-3
ゆっくりと目を開くと、目の前には冬哉がいた。
「…ぇ、……え?
……とう、や…?」
冬哉は肩で息をしながら、怖い顔で下を見ていた。
私も同じように見ると、倒れて気を失っている男がいた。
「……冬哉…」
「…っ!」
私が声を掛けると、冬哉はハッとなってこちらを向いた。
「未音っ…!大丈夫か!?」
私の肩をガシッと持って、すごい勢いでそう言う。
私が何度も縦に首を振ると、溜め息をついてその場に座り込んだ。
「え…!?ちょっ…」
びっくりして駆け寄るが、冬哉はそのままだった。
でも、
「俺…もう、ダメだと思った……。
マジで死ぬかと……」
そう言って顔を上げた冬哉の目は涙で潤んでいて、
「未音が無事で……本当によかった…」
私を優しく抱きしめてくれた。
「………ふぇ…」
冬哉に抱きしめられて安心したからか、涙が溢れてくる。
「……うっ……ぅえっ…」
声を出さないように泣いていると、冬哉がそっと、頭を撫でてくれた。
「う…うああぁぁぁあん…!!」
それを合図にしたかのように、私は声を上げて泣き出した。
ずっとずっと、泣いていた。
その間も冬哉は、何も言わず頭を撫でてくれていた。
─────……………
「…未音、目ぇ腫れてんな」
「………うるさい」
車の中で、冬哉が私をからかってきた。
「帰ったらすぐ冷やそうな」
でもすぐに優しい言葉をかけてきて、私は何も言えなくなる。
あの後、私がひとしきり泣いた後、冬哉が警察に連絡したから、あの男は逮捕された。
殺人未遂で。
私と冬哉も警察の人にいろいろ聞かれて、帰る頃には夕方になっていた。
それで、冬哉が家まで送ってくれることになった。




