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Dear Heart  作者: 藍原未羽
28/57

Other Part2-2




「上杉さん!!」


「あ?」



さっきの女の子がすごい形相で走ってきた。



「ちょっと来てください!!」


「は!?ちょっ…」



やってくると同時に腕を掴まれ、奥へと連れていかれる。


何これ、拉致?


…あ、俺も前同じことしたわ。


なんて呑気なことを考えていた俺だが、スタッフルームとやらに入った瞬間、思考も表情も凍りついてしまった。



「未音…!?」



そこには、尋常じゃないほど顔を真っ青に染めた未音と、未音に寄り添っている女の子がいた。



「じゃ、桃は表に出るんでっ」



さっきの女の子は、あっという間に仕事へ戻っていった。


…そうだ思い出した。


名前が桃恵で、『桃』チャンだ。



「…上杉さん、ですよね」



未音の側にいた女の子が俺に近づいてきた。



「あぁ」


「初めまして、三谷茜です。

申し訳ないんですが、未音を家まで送ってやってくれませんか?」



唐突なお願いに、俺は顔をしかめる。



「…何があったわけ?」



未音があんなだから、もちろん家まで送ってやるけど。


理由くらい教えてくれたっていいだろ。



「……すみませんが、言えません…」



何だそれ。



「私の口からは…言えません…。

…とにかく!未音は今錯乱してて、とても1人で帰れるような状態じゃないんです!

お願いします…!」



そう言って茜チャンは、頭を下げた。


女の子に頭下げられて……、ここで食い下がったら、やっぱり男として最低だよな…。



「…わかった」



俺は追求することを諦めた。



「ありがとうございます…!

…これ、未音の服なんで、渡してやってください」



俺は紙袋を受け取って、未音を抱えて車へ向かった。






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