Other Part2-2
「上杉さん!!」
「あ?」
さっきの女の子がすごい形相で走ってきた。
「ちょっと来てください!!」
「は!?ちょっ…」
やってくると同時に腕を掴まれ、奥へと連れていかれる。
何これ、拉致?
…あ、俺も前同じことしたわ。
なんて呑気なことを考えていた俺だが、スタッフルームとやらに入った瞬間、思考も表情も凍りついてしまった。
「未音…!?」
そこには、尋常じゃないほど顔を真っ青に染めた未音と、未音に寄り添っている女の子がいた。
「じゃ、桃は表に出るんでっ」
さっきの女の子は、あっという間に仕事へ戻っていった。
…そうだ思い出した。
名前が桃恵で、『桃』チャンだ。
「…上杉さん、ですよね」
未音の側にいた女の子が俺に近づいてきた。
「あぁ」
「初めまして、三谷茜です。
申し訳ないんですが、未音を家まで送ってやってくれませんか?」
唐突なお願いに、俺は顔をしかめる。
「…何があったわけ?」
未音があんなだから、もちろん家まで送ってやるけど。
理由くらい教えてくれたっていいだろ。
「……すみませんが、言えません…」
何だそれ。
「私の口からは…言えません…。
…とにかく!未音は今錯乱してて、とても1人で帰れるような状態じゃないんです!
お願いします…!」
そう言って茜チャンは、頭を下げた。
女の子に頭下げられて……、ここで食い下がったら、やっぱり男として最低だよな…。
「…わかった」
俺は追求することを諦めた。
「ありがとうございます…!
…これ、未音の服なんで、渡してやってください」
俺は紙袋を受け取って、未音を抱えて車へ向かった。




