Other Part2-1
─Toya side─
奇跡と言うか何というか。
未音と出会い、季節が巡り夏になった。
夏休みに入ったらしく、未音はほぼ毎日バイトに行っているわけだが…、
「社会人にも夏休みがあればなー…」
と、俺は車の中でうなだれる。
そしたら、会社帰りじゃなくても毎日『Dear Heart』に行けるのに…。
それに…。
「あいつが不安な時…側にいてやれる…」
俺は、数日前の事を思い出していた──。
………───………
あの日も俺は、『Dear Heart』に行っていた。
いつも通り未音を呼んでコーヒーを頼むと、未音の様子がおかしいことに気づいた。
「未音?」
声をかけると、未音は慌てて去っていく。
「………」
さっき未音が見ていた方向をチラッと見たけど、特に気になる事はなかった。
胸につっかえるものを感じながら、俺はコーヒーがくるのを待った。
…………
「お待たせしましたー」
少しすると、他のバイトの女の子がコーヒーを持ってきた。
この子は確か…未音が話してた…。
「…ねぇ、君。
さっき未音の様子がおかしかったんだけど…、何かあった?」
「未音先輩?」
顔を上げた女の子は、俺の顔を見て「あ、なるほど…」と呟いた。
「さっき話した時は普通でしたけど…。
気になるなら確認してきましょうか?」
「…頼む」
気が利く子で助かった…。
俺は息を吐いて、コーヒーを口にした。
5分後くらいだったろうか。
思いもしなかった展開になった。




