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Fifth-4
「…よし。準備オッケー!」
私は自分で自分の頬を叩いて、玄関のドアを開けた。
1日寝たらスッキリした。
土曜日。
今日は大学が休みだったから、朝からシフトを入れていた。
ちょっと怖いけど、仕事がやりたい。
私は気合いを入れながら『Dear Heart』へ向かった。
─────……………
「あれれ?先輩、大丈夫なんですか!?」
同じく朝からシフトを入れていた桃が、かなりびっくりした表情で駆け寄ってきた。
「うん。
昨日はごめんね。気が動転してたみたいで…」
笑っていうと、桃は「むむぅ…」と唸る。
「そりゃ気も動転しますよ。
本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫。さぁ、仕事しよう!」
私が表に向かうと、桃もトコトコついてきた。
「まぁ、もしもの時は桃が全力で先輩を守るんで、安心してくださいね!」
そう言って胸を張る桃を見て、「お願いします」とだけ私は答えた。
案の定あの人は来ていたけど、桃が上手くカバーしてくれたし、他の人も気を遣ってくれたから何とかやり過ごせた。
まだ不安は残るけど、きっと大丈夫。
きっと──。
その油断が、いけなかったのかもしれない。




