Fifth-1
─Fifth Time─
「いらっしゃいませー!」
『Dear Heart』今日も大繁盛。
「未音、2番テーブルのオーダーお願い!」
「はーい」
「チョコレートケーキと、アップルパイと、オレンジジュースですね。
以上でよろしいでしょうか?」
オーダーを受け、調理場に行こうとすると、入り口付近に人影が見えた。
「お客さま…?」
入ってくるのかと思えば、その人影はスッと消えた。
何だったんだろ…?
「未音ー!」
「あ、はーいっ!」
私は、特に気にとめることなく仕事に戻った。
…………
次の日。
カランカラン…
「いらっしゃいませー!」
お客さまを案内しようと近づくと、私は変な違和感を覚えた。
帽子を深く被って、マスクをしている男性。
……この人、どこかで…。
「…1名様ですね。
こちらへどうぞ」
何か気になったけど、仕事に持ち込むわけにはいかないからと、そのまま案内した。
…………
その次のバイトの日。
私は、またあの男性を見つけてしまった。
帽子を被り、マスクをした男性。
……何だか嫌な予感がした。
この感じ、前にも……あ、冬哉か。
冬哉の事を思い出すと、自然と顔が綻んだ。
でも…。
…………
「…未音もやっぱり気になってる?」
「うん…」
茜に言われ、頷く。
帽子とマスクの男性は、また来ていた。
気のせいか、ジッとこちらを見ている。
「何か気持ち悪いね。
私、アイツのことがフラッシュバックするよ」
茜が男性を睨みながら言った。
「冬哉?」
「そっちじゃなくて、前のストーカー」
茜が言っていたのは、最近見なくなっていたストーカーだった。
そういえば…。
一瞬、背筋がゾクッとした。




