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Dear Heart  作者: 藍原未羽
22/57

Fourth-8




ゆっくりと振り返ると、そこには、息を切らした冬哉が立っていた。



「とう…や…」


「では、こちらへどうぞ」



冬哉はなにも言わず、私の腕を引っ張っていった。



─────……………



係員さんが通してくれた部屋で、私は冬哉に頭を拭いてもらっていた。



「………」



冬哉も、私も、さっきから何も喋ってなかった。


怒って……るのかな…。



「……冬哉…」


「………」



声をかけても無反応。


やっぱり怒ってるんだ…。



「……、ごめんなさい、私…」


「風邪引いたらどうすんだよ…!!」


「…!!」



冬哉は急に頭を拭くのを止め、私を後ろから抱きしめた。


観覧車の時とは違い、痛いくらいにぎゅぅぅっと抱きしめられる。



「冬哉……」



でも、さっきの一言で気づいた。


冬哉はただ…心配してくれてたんだ、って。



「………」



冬哉の腕が少し緩まったから、私は後ろを向いた。


冬哉の泣きそうな顔を見た時、自分がどれだけ心配をかけていたのかがわかった。



「冬哉っ…!」



次の瞬間、私は自分から冬哉に抱きついていた。



「ごめんなさいっ……ごめんなさい、ごめんなさい…!」



ひたすら謝る私を、冬哉は優しく抱きしめ返してくれる。


もう、痛くはなかった。



─────……………



私が部屋に戻り、バスタオルを羽織って戻るまで、冬哉は玄関で待っていた。



「じゃあ、すぐにシャワー浴びて、温かくして寝ろよ」


「うん」


「夏だからって舐めてたら、マジで風邪引くかんな」


「わかってる。気をつけるから…」


「じゃあ」


「あっ…冬哉」



帰ろうと玄関のドアに手をかけた冬哉を、私は呼び止めた。



「今日は…ありがとう」



私のお礼に、冬哉は振り返ってフッと笑い、近づいてきた。


そして、



ちゅっ


「…!?」



おでこにキスされた。



「おやすみ、未音」


「お、おやすみっ…」



パタンとドアが閉まり、足音は去っていったけど、私はしばらくその場から動けなかった。






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