Fourth-7
ポツ──ポツ──
「あれ…?」
暗くなってきたと思ったら、雨が降り出した。
今日は1日晴れるって聞いてたのに…。
「通り雨だな。未音、こっち」
冬哉に手を引かれ、屋根のある場所に避難した途端、ポツポツと降っていた雨がザザーっと豪雨になった。
「うわっ…」
すごい雨…。
「すぐ止むと思うけど、念のため傘かなんか買ってくる。
大人しくしてろよ」
ジーッと雨を眺めていると、冬哉がそう言って、走ってどこかに行ってしまった。
「雨…いつ止むのかな…」
壁に寄りかかって冬哉を待っていると、ふと、どこからか声が聞こえた。
「………さ…!おか……さん!おかあ……!」
「…!!」
雨の音で聞こえにくいけど、子どもの声がした。
慌ててキョロキョロと辺りを見回すと、数メートル先の大きな木の下で、泣いているまゆちゃんを見つけた。
もしかして…迷子!?
「……っ」
私の足は、自然と動き出していた。
「まゆちゃんっ!!」
「……っく、ひっく…、おねえ…ちゃん?」
「もう大丈夫。おねえちゃんにしっかり掴まって!」
私は、まゆちゃんを前で抱えた。
そして、さっきの場所まで全力で走る。
「…よし。次はお母さんだね」
濡れた手で、まゆちゃんの手を握る。
「……おねえちゃ…、だいじょうぶ…?」
まゆちゃんを庇うようにして走ったせいで、私は頭から背中にかけてびしょ濡れになっていた。
「大丈夫よ。さぁ、お母さんを捜しにいこうね」
「……うんっ…」
私は、係員さんのいる一番近い場所まで行った。
「すみません…。この子、迷子になったみたいで…」
「わかりました。すぐにお知らせします。
……お客さま、タオルをお貸ししましょうか?」
私の姿を見た係員のお兄さんが言う。
「あっ…いえ、だいじょう──」
申し訳なくて断ろうとしたその時、
「タオル…、貸してください…っ」
後ろから聞こえた声に、私はドキッとしてしまった。




