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Dear Heart  作者: 藍原未羽
2/57

First-2




8番テーブルには、サラリーマンの人なのか、スーツ姿の男性客が2人いた。


『Dear Heart』は女性客の方が多いけど、スイーツの美味しさは有名だから、男性客も珍しくはない。



「お待たせいたしました。コーヒーになります。

こちらは…」


「あ、俺です」



そう言って少し手を挙げた男の人を見て、私は一瞬固まってしまった。


何というか…、ぱっと見、かっこよかったから。



「ごゆっくり…」



コーヒーを置いて戻ろうとしたその時──。



「お姉さん」



呼び止められると同時にパシッと手を掴まれた。



「新しいおしぼり、くれない?」



コーヒーを頼んだ男の人は、ニコッと爽やかに笑った。



「え…?…あ、はい。

少々お待ちください」



私は、少し早足でその場を去った。



─────……………



おしぼりを渡した後も、どうしてかあの男性が気になった。



「ふぅ…」



お客さまには見えない場所で溜め息をついていると、まだ高校生のバイト仲間、佐川(さがわ)桃恵(ももえ)が近づいてきた。



「せんぱーい!

どうしたんですか?こんなところで」


「…何でもないよ。ちょっと休憩」



そう言うと、桃は「そうですか」と笑った。



「…あ、先輩聞いてくださいよぉ!

珍しいイケメン客発見ですよ!」



桃は「こっち、こっち」と引っ張って私に見せようとする。



「ほら、あそこの8番テーブルの人!

2人いるけど、茶髪の方がすごくイケメンなんです!」



桃が言っているのは、間違いなく私がコーヒーを出したお客さまで。


もう一人の男性と、何やら話をしている様子だった。



「かっこいい人って、それだけで目の保養になりますよねぇ!

まぁ、桃の場合は美人さんでも保養になりますけど」






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