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Dear Heart  作者: 藍原未羽
19/57

Fourth-5




「すごーっ…」



観覧車からの眺めは絶景だった。


広く感じていた敷地内も、全てが見通せるほど小さかった。


窓に張り付いていた私に、冬哉が静かな声で話しかける。



「なぁ、未音…。

俺、お前に聞きたいことが一つだけあるんだ…」


「…?なに?」



私は冬哉と向き合うように座り直した。



「未音って、まだ大学生になったばっかりだよな?

なのに…何で、あんなにバイト頑張ってんのかなって……」



冬哉の言いたいことが、何となくわかった。


冬哉はたくさん遊びに誘ってくれたけど、私は何度かその誘いを断っていた。


『バイトがあるから』と。


暇な時は、出来るだけシフトを入れるようにしてる。


たぶん、その理由が聞きたいんだと思う。



「…あのね、話…長くなると思うけど、聞いてくれる…?」


「あぁ…」



冬哉は、微笑んで頷いてくれた。



「私の両親ね、私が小さい頃に離婚したの…」




理由は、何だったか覚えてない。


ただ、お母さんとお父さんが言い争ってたことだけは覚えてる。


気がつけばお父さんはいなくなっていて、私とお母さんは、2人でアパートに移り住んだ。



学校の進学は養育費で何とかなってたみたいだけど、それでも生活は苦しかった。


お母さんは、私が生活に困らないよう一生懸命働いていた。


何度も、机に伏せたまま寝ている姿を見た。


だから、私もお母さんを心配させまいと一生懸命勉強した。


でも、大学への進学が決まった途端──



──お母さんは、倒れた。






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