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Dear Heart  作者: 藍原未羽
10/57

Third-2




「なぁ、ゲーセン行こう」



店を出ると、冬哉が唐突にそんなことを言い出した。



「え?でも私、お出かけ用の服じゃないし…」



朝のバイトが終わって裏口から出ると、あの日と同じように冬哉がいて、そのまま昼食ということでレストランに来たから、特にオシャレをしてなかった。


どうせ遊ぶならオシャレしたいのに。



「いーんだよ。ほら行こうぜ」


「あっ」



冬哉は私の手を引いて、レストランに来た時と同じように、車の助手席に乗せてくれた。



─────……………



「こいこい…そのまま……よっしゃ取れた!」


「すごっ」



冬哉はUFOキャッチャーが上手だった。


100%ではないけど、4回やって3回は取っている。



「ほら」



さっき取れた、大きなウサギのぬいぐるみを渡される。


か、可愛い…。



「やるよ。プレゼント」


「え、でも…」



さっき取れたお菓子も、冬哉は半分くれた。


私が取ったわけじゃないのに。



「いーの。俺いらないし。

…あ、いいもん見っけ」



また違うUFOキャッチャーに向かっていく冬哉を見ながら、私は考え事をしていた。



ストーカーまがいの事をしていたから、その気持ちには何となく気づいてるけど…。


今の冬哉は、何だか私よりも子どもみたいにはしゃいでて…。


私のご機嫌取りとか、そんな風には見えない。


何か…、変な気分…。



「ん」


「わっ…」



急に目の前に現れる、四つ葉の形をしたストラップ。



「あそこのUFOキャッチャーで取れた」



そして、それを私の手のひらの上に乗せる。


ということは、またくれるということなんだろう。



「俺とおそろい。嬉しい?」



ストラップを見せながら意地悪そうに笑う冬哉を見て、つい笑みがこぼれる。



「嬉しくないけど、貰っとく。

……ありがとう」



冬哉は怒ったような、照れたような顔をしていた。






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