First-1
大学生×社会人
が、頑張ります…!( ̄∀ ̄;)
─First Time─
「いらっしゃいませー!
3名様ですね。こちらへどうぞ」
「カフェオレ一つと、イチゴパフェ一つでよろしいでしょうか。
少々お待ちください」
「未音ー!オーダーお願い!」
「はーいっ!」
私、江藤未音、大学一年生。
ただいま喫茶店でバイト中。
「えっと…、5番テーブルにワッフルと、1番テーブルにドリンク…」
ここ、『Dear Heart』は、地元で人気の喫茶店。
大学に入ったばかりなんだけど、家庭の事情で働かなきゃいけなくて、割に合うバイトだったからここを選んだ。
死ぬほど忙しい時もあるけど、その分楽しい。
お客さんの「おいしい」の一言とか、笑顔とか。
それだけで疲れも飛ぶし。
「江藤。
客が少し減ってきたから、お前は少し休んでこい。
後で三谷と交代しろ」
「はい、店長」
店長の指示で、スタッフルームへと戻る。
置いてある椅子に座り、深呼吸をする。
「今日も大繁盛だなぁ…」
従業員6名、アルバイト5名。
決して大きくはない喫茶店だけど、これでも辛かったりする。
人手を増やせばいいのに、今のところ新しく雇うつもりはないらしい。
辛くて大変だけど、笑顔に溢れている。
それが、私の日常だった。
今日も、そんな日常の一つだった。
……はず。
ガチャ、と音がして、スタッフルームに誰か入ってきた。
「はぁ〜…。疲れた…。
未音、代わって〜」
「お疲れ、茜」
彼女は三谷茜。
大学は違うけど、同い年のバイト仲間。
「…あ、8番テーブルにコーヒー出すの忘れてた。
未音、お願い!」
うっかりしていた茜にクスッと笑う。
「8番にコーヒーね。了解」
私はスタッフルームを出て調理場でコーヒーを受け取り、8番テーブルに向かった。