01 初めまして
「おいお前。イカサマしてるだろ?」
「お前みたいなやつにイカサマなんて使うほど俺が小物に見えるのか?そりゃ大層な」
「死ねッ!!!」
ちょっ唐突…そんなことを言う事もなく倒れる
痛みより先に来たのは、恐怖
――俺はまだ強いやつとやりきれていない!自分はこんなカスみたいなやつに、ギャンブルで殺されるのではなくただの私欲に殺されるのか?人の欲に塗れたこの世界に飲まれてしまうのか?俺は――
そうしてようやく痛みが訪れる…が
「…死んだな」
「ボス、コイツはどうしますか?」
「適当に使える臓器をバラして売ってこい」
「了解しました」
そんな事どうでもいい。コイツを…コイツを見返してやりたい…!自分がイカサマなんてチャチな物で勝ったのではないと…証明してやりたい…!
そんな考えも虚しく意識は途絶えて行き…
―――――――
「おはようございます。ダルク様」
「…は?」
俺の意識って…途絶えたんじゃなかったのか?
俺って、死んだんじゃ無いっけ…??
「どうされたのですか?どこかが痛むのですか?」
痛み…そういえば撃たれた筈の眉間が全く痛くない
これは一体どういう…
「さぁ、ダルク様行きましょう!」
「…えっ?何処にだよ?」
「どこにって…舞踏会に決まってるじゃ無いですかっ!」
舞踏会だぁ…?
そういえば、自分の周りの景色がまた随分と洋風というか…
この人も華々しいドレス着てるし…
というかさ、俺の視点低くね…?
「…俺って何歳だっけ」
「あら、寝ぼけてらっしゃるのですか?つい最近9歳の誕生日を迎えたばかりではありませんか」
…ほうほう9歳とな
「…ここ何処だよ!?!?」
「そういえばダルク様は昨日寝落ちしていましたものね。ここは私の部屋ですよ」
「は、はぁ…」
ここは俗にいう異世界とやらなのだろうか。正直死んだ感覚も異世界に飛ぶような衝撃も何も感じてないから疑問しかないのだが
というか、これが走馬灯だという可能性はないのか?
ないか。俺の実家はこんなに豪邸でも洋風でもなかったしそもそも俺の名前はダルクじゃない。龍斗だから
…ということはこれって、現実…?
「それじゃ行きましょうダルク様」
「えっちょっ待て俺まだ服着替えてないんだぞ?正装じゃなくて良いのか?」
「ダルク様が寝ている間に勝手に着せ替えましたので」
!?
「き、気付かなかった…」
そうしている間に外の方からガタンガタンとタイヤが回る音が近付いてきた
「さぁ、馬車に乗って行きますよ!」
「ちょっ、ちょっと待てなんか忘れてる気がするんだけど…あっ思い出す前に勝手に馬車に乗せるな!」
瞬く間に自分の周りに人が集まり、一瞬のうちにして俺は舞踏会に為す術もなく連れて行かれたのだった
続ける保証なんてありません




