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6話:群れ

僕は地面に着地すると同時に魔獣を拘束しようと魔術を発動する。

 と言っても拘束できる数にも限度はあるけど。


《"拘束する蔓(ヅルクハイト)"!》


 僕は約十五匹程拘束する事に成功したが、拘束出来なかった残りの魔獣こちらに向かってくる。

 拘束を(まぬが)れた魔獣の数匹は羽が生え、空を飛んでいる。

 にしても飛んでくるヤツもいるとかもいるのか!?そんなヤツ僕が読んだ本にはいなかったぞ。


「悪い、地上の奴は任せていいか?」

「任せろ!どうせだったら全部任せてくれてもいいぜ?」


 今にも走り出しそうなやる気に満ちた顔でこちらを見る。


「はいはい、じゃあ地上のヤツを全部任せようかな?」

「おう!……それ最初に俺に任せたヤツらじゃね?」


 ちぇ、気付かれたか。

 こんな時こそ感の良いガキは嫌いだよと言う台詞を言うべきだろうか?


「あの、そんなに喋ってて大丈夫なの?」

「それもそうだな、援護頼むぜトラン!」


 素早く剣を抜き、地上の魔獣に勢いよく斬りかかる。

 さてとそれじゃあこっちも始めますか!


「アルシア少し離れてて」


 魔術書を開き呪文、魔法の効果、能力を頭に流し込む。

 よし、こういう時はこの魔術だ。


《"光の散弾銃(パイロボルム)"ッ!》


 中を舞う魔獣に向けて光の弾が飛んでいく。

 その弾はまるで星のように輝いており、今日初めて使ってみたが、我ながら綺麗な魔法を発動したなと思っている。


「キレイ…」


 少し後ろからぼそりと呟く声が聞こえる。

 どうやらこの魔術を彼女も気に入ってくれたようだ。

 僕は一匹一匹、確実に魔獣の心臓を射ぬいていく。

 空を飛べるからって逃げられると思ったら大間違いだぞ!


「さっすがトランだな。こうなりゃこっちも負けてられねぇな!」


 拘束をされていない残りの魔獣を斬り倒すべく、剣を構える。


グオオオオオオオ!!


 一番後ろの魔獣が吠え一斉にアデラに向かっていく。


「束になっても俺にゃ勝てねぇよ!!」


 向かってくる魔獣に対して一体一体確実に仕留めていく。

 恐らく吠えていた魔獣がこの群れの長だろう。

 そう考えたアデラは前に進んで行き、一番後ろにいる魔獣を狙う。

 一部変なのはいても、やっぱりただの魔獣なのか?減ってきている魔獣を前にそう考えていると二匹の魔獣が目の前に飛び込んでくる。


「勝てねぇって言ったろ!」


 剣を大きく振るい二匹の魔獣の首を断つ。

 指揮をしている長であろう魔獣を狙うべく直ぐに体勢を立て直すが、あることに気づく。


「な!?」


 標的である長であろう魔獣が居ないことに気付き驚く。

 しかし目をつむり直ぐに魔獣の気配を追うべく魔術を発動する。


《"気配の行き場(バイオロジカル)"》


「そこだァ!!」


 自分の背後に魔獣が居るのを検知し、もう一本剣を取り出し投げ魔獣に命中させる。


「どんなもんだ!」


 剣を拾い僕の方を見ると大きく手を振っている。


「どうやら無事に終わったようだね」

「それにしても凄いねあんな量の魔獣をやっつけちゃうなんて……」


 アルシアは魔獣を蹴散らしたことに大変驚いているようだ。

 確かに量は多かったけど旅に出て初めての戦闘にしては丁度良かったと感じた。


「当たり前だ、俺達があんなヤツらに負けるかよ!」

「うお!?いつの間にこっち来たんだ?」


 いつの間に僕の隣に来ていた。

 全く、こいつには色んな意味でこれからも驚かさせられそうだ。


「そうだ、戦闘で怪我をしたりしてない?」

「いや怪我とかはしてないよ」

「あぁ怪我はねぇ、でも腹がすいた~」


 お腹に手をおきながらぐったりとする。

 確かにこの国に来てから走ったり魔獣と戦ったりでご飯を一度も食べていなかった。


「それならとっておきのお店を知っているだ!一緒に行こ!」

「うん!」

「おう!」


 僕達は元気良く返事をすると紹介してくれるお店に行くことにした。

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