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第95話 宝箱

「あ、ここを左に曲がると宝箱があるにゃん!」


 ケイティが猫耳をぴこぴこ動かしながら、地図を確認して先導してくれる。

 今の所敵影なし。

 平和に見えるが周囲は瘴気で澱んでいるので、対策無しの人なら数分で体調が悪くなるだろう。

 

 薄暗いので先まで見通せるわけでは無いが、足元の灯りは十分だ。

 ルミィの魔法の光のお陰だけではなく、ほんのり石造りの壁が光っているので、何かあっても真っ暗になる事は無さそうだな。

 いや、ルミィに何かあってはいけないが。


 そして、左折すると小部屋があり、そこには本当に宝箱があった。シンプルで簡素というか、地味な感じの箱だ。


「なんでそんなもんがあるんだよ!あっても中身誰かに取られてるだろ」


「いや、いつも補充されてるにゃん。だからここまでなら無理して取りにくる奴は偶にいるにゃん」


 誰が補充してるんだ?

 邪教徒が冒険者釣り出すために入れといてるんじゃないか?


 ケイティが手慣れた様子で、パカッと開けると中には薬の入った瓶があった。


「あー、ハズレか。にゃん」


「当たり外れがあるのか……」


「魔石は当たりにゃん。まあ、抗瘴気薬っぽいから良いか」


 ケイティはクンクンと中の薬の匂いを嗅ぎながらしまい込む。

 文句は無いが、ケイティの物になるんだな。

 当たりなら分け前要求するかな。


 ルミィは地味な宝箱とその周辺を光を当てて観察している。


「なんだ?罠でも無いか調べてるのか?」


「いえ、どうやら古代魔法の魔法陣が宝箱の置いてあった場所の下に刻んであります。

 指で触ると凸凹してますね。

 私の可能とする異世界からの召喚に少し近い陣です。

 多分ですけど、宝箱の中身が無くなって一定時間が経過すると、自動的に倉庫から一つ補充される仕組みだと思われます」


「あー……それで昔宝箱持ち帰った奴が何も出てこないって怒ってたのかにゃん」


「持ち帰るとかセオリー無視も甚だしいな」


 ある田舎な国の人が、水道から水が出てくるのを見て水道管を持ち帰ったなんて話を彷彿とさせる。


「というか、ケイティ以外では俺らが攻略挑むのは久々だって聞いたけど」


「真面目にやるパーティはそうにゃ。

 普通は抗瘴気薬飲んでここの宝箱訪ねて帰るのが、ラビル街の冒険者にゃ。

 運が良ければ、一年は遊んで暮らせる額の魔石かま手に入るにゃん」


 宝くじかな?

 

「宝箱も補充されるのかな?」


 時夫もルミィの調べる手元を見るが、なんか円を描くように凸凹が確かにあるなぁ、程度しか分からなかった。

 古代魔法使いって、時夫達の世界的にはヒエログリフが読める考古学者みたいなもんなのかな?

 魔法の適性も必要そうだけど。


「うーん……調べてみないと宝箱の復活はなんとも言えません。

 細かく調べるにしても邪教徒討伐して、その影響も完全に消えた頃でしょうね」


 ルミィは宝箱の方も触ったり、ひっくり返したりしながら観察している。

 イーナも興味津々だ。

 イーナが偶に本物の子供のように思える好奇心を見せるのは、やはり肉体の若さに引っ張られてるんだろう。


「それで……」


 時夫が言いかけた時、


「しっ!」


 ケイティが時夫の口に指を当てて、黙るように示した。

 耳をピンと立てて、尻尾の毛は逆立っている。

 強く警戒しながら、小部屋の入り口の方を見ている。


「ぐるるるる……」


 唸り声が聞こえる。

 時夫も杖を手に警戒心を強める。


 びょん!


 姿を現したのはツノありウサギだった。

 しかし、いつか王都の北の森で見たのとは大分見た目が違った。


 体がとても大きく、顔があるべき場所に小さな顔がたくさん付いていた。

 二重を超える顔と長いツノを持つ異形の猛獣が時夫目掛けて飛びかかって来た。


 

体調が悪く今日は1話のみの更新で申し訳ないです。

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