表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空白  作者: paoharu
1/6

紫陽花

 

- ピンポーン~♪ -


自宅のインターホンが鳴る。

寝ぼけながら、頭元のスマホを手にとる。

スマホの画面には10:30の時計の表示と、

充電の残りが少ないことを知らせる赤色のバッテリーマーク。

昨日、動画を観ながら寝落ちしたためにスマホの充電が少なくなっていたのだ。


- ピンポーン~♪ -


早くドアを開けるよう催促するインターホン。


「はぁーい…」

ドアを開けると同時に、

「もう~!また寝坊ですかー!」

わざと怒った表情を作る彼女が立っていた。


「ごめんごめん…」

「今日は一緒にお出かけするって話だったのに!!」

「今から準備するよ…」


僕は洗面所へ向かい、身支度を始める。

彼女は「お邪魔しま〜す」と僕の部屋に上がり、

ラグマットの上にちょこんと正座する。


「今日はどこに行きましょうか」

彼女が口を開く。


彼女は僕より8歳も年下。

出会った頃から、僕に敬語で話す。

その癖が抜けないのだろう。今も変わらず敬語だ。

最初はよそよそしく感じていたが、

敬語で話す彼女に僕の方が慣れていった。


「どこがいいかなぁ…」

歯を磨きながら答える僕に、被せて彼女は

「紫陽花!紫陽花を見に行くのはどうですか?」

とキラキラな笑顔を見せる。

続けて「電車に乗って、途中でお弁当も買いましょう!」と1人で計画を立てていた。


「そうか…もうそんな季節か」

カレンダーに目を落とす。6月17日。

例年であれば梅雨に入っている時期なのに

雨は滅多に降らない。今日も晴天だ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ