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八日目以降の穏やかな数日の様子 その1

八日目は、小雨の中、河原で罠の川海老や貝など炙り焼いて食べた後、そろそろ漁場を変えてみるべく、入り組んだ小川の方へ行って、魚影を調査。

一度トヨキが銛で獲って、焚火で炙って食べた。


それなりに歩いて、観察にも時間がかかったので、それで一日終わった。

積雪は平地では完全に融けたが、山中にはまだ消え残りがある。


トヨキが魚の相手をしている間、ぼくとマサノリが交代で相方を務め、調査結果について或る程度トヨキと知識を共有。

そうしておかないと、トヨキだけが知っている状態でトヨキの身に何かあったら困るから。


エイコの植物知識もそうだ。

同行者は並行して採集作業や作業場所設置などもこなさないといけないから、その時その場で、できる範囲で少しずつ知識共有してゆく。



夜は菰を繕ったり、刃研ぎをして、いつものように火の番を立てて、交代で寝た。


此の晩から、一番体調に問題のある者を一人見つけて、その者だけは火の番を免除し、夜明け前までずっと寝かせることにした。

残りの4人で二人ずつの組になり、交代で火の番をする。

誰の体調もとびぬけて悪くなければ、順繰りに火の番を免除する。



--


九日目。


曇天の下、道具を携えて夜明け~早朝頃に出発し、小川で朝方に漁をして、その場で食事して、休息。

漁場こそ違えど、このパターンにも慣れてきた。


午前中、次第に雲が切れて、晴れ間が拡がって来る中、草や枝、細い蔓や樹皮などを採った。

天候は回復傾向と思われるが、まだ泥濘んでる処が残っている。


その後、焚火の煙で虫を追い払いつつ、細い蔓と裂いた樹皮で荷運び用の籠を編んだ。

材料の都合で、あまり大きく作る事は出来なかった。


その籠に採った草や枝などを入れて、棒きれを籠に開けておいた穴に通して、マサノリがその棒を飛脚のように肩にかけて運んで持ち帰った。



夜には、投石事件で被った皆の傷も、やっと完全に塞がっていた。


まだ常に空腹なのは変わらないし、寝る時はいつも交代で寝るので寝不足もある。

ダルさとか頭痛とか筋肉痛とか打撲とか小さな切り傷や擦過傷も常にあった。

が、体調が目立って悪い者は居なくなった。



--


十日目。


一日中、小雨。

石斧の柄を作り、石斧の斧頭を柄に嵌め込んで、嵌め込み具合や角度を調整して、遂にまともな石斧ができた。

新たに研いでいた石斧頭も、やっと一応研ぎ終わり、これも柄に嵌め込んで、二本目の石斧も出来た。

これで明日からは、もう少し手早く伐れる。



--


十一日目。


雲がかかっていたのが次第に晴れる夜明け、上流の河原へ出かけ、早朝に珍しく罠に入っていた食べ頃の魚といつもの川海老とを食べて、今日も元気をつけることができた。



今日は、炭焼きをして、炭と木酢液を得ることにする。

これは夕方までには結果が出る筈だ。


マサノリとぼくは対岸の山へ入り、若木を沢山伐り出す。

それをトヨキに川を渡って焚火の傍へ持って行って貰い、トモコが予め或る程度の枝葉を落としておく。

冷水に漬かるトヨは足から冷えるので、頻繁に焚火で温まらねばならない。



やがて材料が充分に集まったので、此岸に戻って来て、石斧でバラバラにした。


他方エイコは、炭焼き場所を選んで、微妙に中心を凹ませた小さな円形の場所を設け、中心から太い溝を引いて、外の窪みに溜まるように、地面に刻む。

溝と窪みは石で蓋をした。

場所全体に粘土を塗り付けて、地面への浸透をできるだけ防いでおく。



休み休みせねばならなかったので、思うようには進まず、あまり無駄な時間を費やさなかった筈だが、結果的に伐り出すだけで一日が終わってしまった。


やむなく、


「今日は準備の伐り出し、明日こそ炭焼き本番!」


と宣言して、また明日来る事にする。

拠点さえあれば、天気に関わらず、屋根の下で作業を実行・継続できるのだが、今はお天気頼みだ……。



その後、全部の片づけが終わると、もうとっぷりと日が暮れていた。

枝に火を点けて、真っ暗な夜道を照らして帰った。



拙作をお読み頂き、まことに有難うございます。

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