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化物と呼ばれた転移者  作者: みかん
3/3

女神なんて碌なものじゃない。

女神様降臨っ!

浮遊感が消えるとあたり一面がなんだか、白い部屋に立っていた。


「なんだこりゃ?」


確かに部屋ではあるようなのだが、遠近感が掴めない。壁が雲のように近くて遠いそんな感覚を覚えた。


「神代 結さんですね?」


フルネームで名前を呼ばれ振り返ると、そこには美を体現したかのような美人が立っていた。気配が全く感じなかった為、少し驚きはしたが、平静を保って切り返した。


「そうだが...なにか?というよりも、一体ここは何処なんだ?転移ではなさそうだが...」


「転移をご存知なんですね?転移で間違いありませんよ。ただ、転移に少し干渉したと言った方が正しいのですが...それよりも随分と冷静なのですね?」


てっきり、あいつの知り合い関係かと思ったがどうやらそうではないらしい。


「えぇ、知り合いに似た事が出来る人がいるもので。冷静というか面倒なことに慣れてるだけですよ。ところで、これはどういう状況が伺っても?」


「なるほど...その手の方をお知りになっているのですね。はい、説明させていただきます。」


それから、簡単に説明を受けた。

要約すれば、彼女は別世界の神であり、自分はどうやら本来女の子達が異世界に転移召喚されるところを引っ剥がして、入れ替わりで転移してしまったらしい。

そして、本来召喚主のところに直接召喚されるところを、異変を感じて急遽干渉してこうして、短い時間ながら現在の不可思議空間に拘束しているとのことだった。


「はぁ...ほんと、碌なことがない。」


昔から面倒事に巻き込まれる体質ではあったが、これは人生でワースト3に入る面倒事になりそうだった。


「普通は術式から引っ剥がすなんてことできないはずなんですけどね。とりあえず、いつまでも留めておくことも私には出来ないので、召喚先に行っていただきます。」


「断る。」


「それは無理です。」


「なんでだよっ!?天下の神様だろっ!?」


キッパリと断ったはずが、即答で却下され思わず突っ込んでしまった。


「そう言われましてもね。これでも、干渉するので精一杯だったんですよ。本来、現世と言っていいのでしょうか?人が住んでるところや物や人などに干渉できない決まりがありますから。今回は、この現象を起こしたのが人間ですから。引き起こしたのが神ならなんとかできたかもしれませんが...」


どうやらこの場に留めておいているのも、それなりのリスクを背負っているらしかった。


「なるほど...わかりました。行くしかないのは理解しました。戻れる方法はあるんですか?」


1番重要なことなので、直球で聞いた。

実際、失踪の仕方が仕方なのでなるべく早く戻りたいのが本音だ。


すると、女神様は顔を苦虫を噛み潰したような顔でゆっくりと答えた。


「それは、ないこともないです。ただ、現実的な方法ではないですし、失敗すれば死にますし、成功しても元の世界なのかは保証できませんから...お勧めできません。正直この世界に窓を開けて通った時点で貴方の元の世界とのパスが切れてしまっているので...」


「なるほど、わからん。まぁ、戻るのも奇跡でもなきゃ無理ということですね。わかりした。」


「すみません...」


女神様が申し訳なさそうな顔を覗かせているので、本当にどうにもならないようだ。


「ところで、ここからが問題なんですけど。貴方に干渉したことで少々問題が起きましてね...」


「なんですか?はっきり言ってください。」


絶対少々ではない臭いがプンプンするので、先を促した。


「えぇ...不死属性が付与されました!やったね!てへぺろ」


「そういうのは、早く言えよ...どゆこと?不老不死ってこと?」


最早、呆れすぎて微かに残っていた敬語すら抜けてしまっていた。


「そうですね。貴方を留める為に作った部屋が、擬似的な神界になっているんですよ。神以外もしくは、それに属する者しか入れませんから、つまりはこの部屋に入った時点で身体が改変して神に近い素体になっちゃたわけですね。ははっ!」


「いや、全然笑えない...いらないだけども。不死なんて辛いだけじゃねぇか。」


死にたくても死なず老いたくても老えないのは苦痛以外の何者でもないだろう。


「普通の人は喜ぶんですけどねー。。。大丈夫ですよ。慣れれば!神だって最初から神だったわけじゃないんですから。そろそろ留めておくのとも限界ですね。特に使命とかはないんで、世界を破壊しない程度なら何しても大丈夫ですから!」


女神が言った通り、徐々に意識が遠くなるのを感じた。


「あ、そういえば行使された術式が隷属魔法が掛けられていたので自力で頑張ってください!」


「ちょっ!?本当に碌なことないなっ!どうしたらいいんだよ!?」


「せっかく不死属性ついてるんで致命傷受けるか命令に反すれば自動的に死にま...」


「お、おいっ!?それどゆっ...」


女神の言葉の途中で意識が完全に遠のくのだった。

不老不死って実際になったら100年も経ったら死んだ魚の目になりそう。。。さて、彼はどうなるんでしょうかねー。死ねばいいとか書いてて無茶苦茶無理難題ふっかけてるなぁと思いつつ。。。


レビューや評価よろしくお願いします。励みになりますゆえm(_ _)m

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