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変人教室の異世界破壊譚  作者: ハイフン
6/7

1-5:初夜

女子と男子で仕切りを設け、村の人から恵んでもらった薄い布の布団を敷いて6人は就寝していた。

だが、俺は疲れているにも関わらず眠れないでいた。

隣ではガーガーといびきをかきながら和田が眠っており、うるさいので和田のいないほうを向いた。

横向きになり、考えを巡らせる。

どうしてこんなことになったのか。

朝、普段通り学校に着いて、ホームルームが始まって、そこから、俺たちは教室ごと空に浮いていた。

空に浮く前に何かあっただろうか?

たしか、時計の針がぐるんぐるんと回っているのは見た。

それから、何か大きな物音がした気がする。

その時、すでに教室が飛ばされていたのだろうか?

でも、どうやって、教室を、日本ではない場所に飛ばすことが出来る?

もしかしてこれは…。


「僕たちには想像もつかないこと…魔法、なのかもしれないね。」

すぐ目の前に重岡のかわいらしい顔があって、おもわず叫びそうになったが、口をふさがれる。

「シー、皆も疲れているんだ。起こしてしまってはかわいそうだろう?」

「いや、俺も疲れてるんだから寝させてくれよ。てかお前、俺のこと襲わない約束だろ?なんですぐ近くにいるんだ。」

「ふふ、”襲わない”とは言ってないよ、”狙わない”とは約束したけどね。」

「意味は一緒なんだよボケ。」

「なに、別に話をしたいと思っただけさ。君も眠れないんだろう?少し外に出ないかい?」

「…分かった。」

重岡は頭はおかしいが、賢い。試験でも学年で3位の実力だ。ちなみに和田は最下位付近で俺は中くらい。

話くらいならしてもいいだろう。何か気づいたのかもしれない。


外に出る。村ではところどころ明かりがあるが、ほとんどが寝静まっている。

夜風が顔にあたる。森に囲まれているためか、木々の匂いが香ってくる。

少し肌寒いと感じたが、我慢できないほどではない。

近くの木のベンチに2人で座り、話し始める。

「どう思う、この状況。」

「そうだね、不思議な状況だ。」

「なんだよそれ。」

「そのままの意味だよ。突然どこかに飛ばされて、キノコの化け物と戦って、こうやって見たことのない村のベンチでしゃべっている…。あまりにも不思議で、そして現実離れした話だね。」

「そうだな…これってたぶん…。」

「僕たちのいた世界とは、違うのかもしれないね。」

俺も考えていた。現実で起きないようなことが起きている。確証は持てないが、ここはいわゆる異世界というやつなのかもしれない。


「空から落ちているときにはもう異世界だったんだと仮定すると、クラスメイトはかなりばらばらに散らばっている可能性が高いね。」

「でもこの6人はすぐに集まれた。」

「そう、その理由は明快だよ。席が近かったんだ。もちろんその考えだといないとおかしい子が一人いるけどね。」

「椎名姉か…。」

椎名妹と姉は一心同体。席も隣で、異常事態が起きた時も2人一緒だったはずだ。

それなのに姉のほうは今いない…。

「席が近いから集まれたとすると、姉も近い場所にいる可能性が高い。」

「そうだね。」

「じゃあ、早く見つけてやらないとダメなんじゃないか!?今は夜だ。あの化け物みたいなキノコに襲われててもおかしくない!!いや、もしかしたらキノコを食べて化け物キノコになってしまってるかも…!」

「まあ落ち着いてくれ。」

「落ち着けるかよ!」

「もしあの化け物キノコになっていたとしたらある意味安心だ。あの状態だとあらゆる攻撃を通さないからね。もちろん完全に害がないとは言わないが、一夜程度なら大丈夫だろう。」

「なら明日になったら早速捜索する必要があるな。でも…。」

俺は村の周囲を囲んでいる森林を見つめる。

今日の半分くらいはこの森の中を歩いていたが、ずっと景色は一緒だったし、正直どこを探せばいいのか分からない。

「妹ちゃんに聞いてみる必要があるんじゃないかな。」

「あいつにか?今はふさぎ込んじゃってるぞ?それに、そもそもあの姉妹がキモイ以外の言葉を発してるのを見たことないんだが。」

「いや、普通にご飯の時とかはしゃべってるよ。」

「ええ!!?」

「君はもう少し女の子に興味を持った方がいいと思うよ。それとも、僕みたいな男に興味が…?」

上半身の服を脱ぎだした重岡を無視する。

「じゃあ、しゃべってもらうしかないな…。手がかりは多いほうが良い。」

「きっと、彼女は姉の居場所が分かるんじゃないかな。」

「え?居場所が?」

「ああ。その証拠に…。」

半裸の重岡が俺ではなく斜め前方を見つめる。

俺も見つめている方向を見ると、遠くのほうで良く目立つ黄色のツインテールが月の光に照らされているのが見えた。

どうやら村を出ていく所のようだ。

「あいつ…!」

「待って。さすがに一人でこの暗闇を行く勇気はないはずだよ。」

「いや…今思いっきり森の中入っていったけど…。」

「「…。」」

重岡の顔が固まると共に、俺も冷や汗があふれる。

俺たちは和田達を呼びに剛速球で駆け出した。


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