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変人教室の異世界破壊譚  作者: ハイフン
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1-3:キノコ騒動・弐

新野さんと重岡がでかいキノコの真正面に立っているのが見える。

普通あんなでかいのがいたら逃げ出すだろう。俺みたいに隠れるだろう?俺がおかしいの?

「こんなに大きくなってしまって…かわいそうに。僕の体ですぐに鎮めてあげるからね…♪」

「おいしそう。」

う~ん、やっぱりあの二人がおかしいみたい♪

俺は物陰から辺りを見渡しながら、少しずつ新野さんに距離をつめる。何かあったときに守ってもらえるように出来るだけ近くにいたいからだ。重岡は逆に襲われかねないので避ける。

しかし、地面に集落の人間が食べていたと思われるキノコが散乱しているが、紫色のキノコが異常に多い。嫌いな人が多いのだろうか。

「グレネード!!」

新野さんが爆弾を投げて、巨大キノコに命中した。

だが…。

「爆発…しない!?」

爆弾は爆発せずに巨大キノコにのめりこんでいった。吸引力ダ〇ソンかよ。

「ならこれは…。」

新野さんはナイフを持ち、巨大キノコを斬りつけた。

だが、斬ったところが一瞬で再生する。

その後、キノコがメリメリと動き、ものすごい勢いでツルが伸び新野さんの手足を縛った。

「し、新野さん!!」

重岡が叫ぶ。俺はこれからどうなるのだろうと少しわくわくしていた。もしかしたら新野さんはあのツルにどんどん体中を縛られていくのかもしれない。そうなったらもう私辛抱たまらんです。

…いや、そんなこと考えている暇なんてなかった。

キノコの化け物が新野さんをズルズルと引き寄せていたからだ。

「こいつ、新野さんを吸収するつもりなのか?くそっ!」

重岡は誰かから奪ったのであろうナイフでツルを切りつけた。

だがツルも高速で再生し、逆に重岡が縛られてしまう。

「ぐっ!く、屈辱だあ…♡」

なんでよろこんでるんだあいつ…!?

しかし、このままだと二人ともあのキノコに飲み込まれてしまうかもしれない!

待てよ…もしかして…和田たちはもうすでに…!?

「ぐっ!?どうする!?」

何か方法があるはずだ!

「キノコ…キノコ…はっ!?」

地面にたくさん落ちている紫のキノコ…。

ええい!一か八かだ!!

「紫キノコ!!君に決めたああああああ!!」

俺は巨大キノコに向かって走り出し、大量の紫キノコをやつに投げつけた。

ポコポコポコ…と紫キノコが巨大キノコに吸収されていく。

そして、次の瞬間、


「げ、ゲボオオオオオオオオオオ…」


巨大キノコの特大ゲロがそれはそれはきれいに放出された。

「うわあああ!!きったねえええ!!」

と思ったが、ゲロといってもほとんど内容物そのまま吐き出しているだけだったのでそのままリバースされてるだけだった。

そして、

「あ!和田!?」

ゲロの中に和田達がいた。

「和田!助けに来…」


ドオオオオン!!


「「「あ…。」」」

さっき新野さんが投げた爆弾が、それはそれは和田の近くで盛大に爆発し、和田は見事に吹き飛んだ。


「助かったよ、山田。あと新野さん、重岡。し、重岡ああああ!?」

ボロボロの和田が目を覚まし、重岡を認識した瞬間俺の背中に隠れた。

「いやはや、みんな無事でよかった。なんだったんだい?あのキノコの怪物は。」

「ああ。俺もびっくりしたよ。」

どうみても今は重岡の存在にびびっている和田が俺の後ろでガタガタ震えながら答える。

「あんなキノコ見たことないね。和田くん達はなぜあの巨大キノコの中に?あのキノコに食われたのかい?」

「いや、なんかキノコ食べてたら急に激痛が走ってさ。気が付いたら全身キノコになってたんだ。で、他のキノコ食べたら直るかもしれねえと思って食べてたらさらに巨大になってきて気が付いたら止められなくなってた。」

「お前があの巨大キノコそのものだったのかよ!!?」

「ああ。なんか意識失ってたけどな。」

もうあの頭からキノコ生えるキノコ絶対食わねえ!!

「はあああ…。で、あとの二人はまだ起きないのか?」

俺は隣で寝ている二人の女の子を見る。

一人は椎名姉妹、通称キモイ姉妹の妹だ。黄色のツインテールだから間違えようがない。

もう一人は…。

「こいつ、キテレツちゃんか…。」

整った顔の金髪少女が眠っている。この子は通称キテレツちゃん。名前の通りキテレツな子だ。「だまっていればかわいい選手権」の日本代表に選ばれた実力者だ(大嘘)。

「まあこれで2-Bの生徒が一応6人そろったわけか。」

「だな。で、この状況どうするよ?」

俺たちは集落の人に完全に囲まれていた。

「こいつら危険だ!はやくここから追い出してしまえ!!」

「キノコの化け物になって襲ってくるなんてありえねえ!!」

う~ん。言い分は分かるだけに言い返せない。

「すいません、村の方々。ですが安心してください、私たちは危険じゃありません。」

新野さんが一歩前に出て説得を試みる。いや、あなたが一番危険に見えるのは気のせいかい?その手に持ってるナイフ早くしまお?

「し、信用できるか!!いきなりキノコをよこせって言ってきてもてなしてたらこんなに荒らしやがって!!」

「うーん、その、それは不可抗力と言いますか…。キノコの副作用と言いますか…。」

俺もなんとか説得を試みるしかねえ。

「実は俺たち、ここに来たのは初めてで。キノコのことよく知らなかったんです。」

「そ、そうか。それならまあ仕方ないか…。俺たちもたまに間違って食うからな。」

いやそれはもうちょい気を付けようよ。あの副作用普通にやばいだろ。危機管理能力皆無なのかな。

「だが…そこのお前!!」

「ん?僕?」

集落の男が重岡を指さしてどなりちらす。

「お、お前が俺の友人を襲って…友人はもうお嫁にいけないって言って涙を流してたんだぞ!!どう責任とるつもりなんだ!!」

う、うっわあああああ…。

「やっぱやべえよこいつ…。」

和田がビクビクしながらつぶやく。うん、まじでこいつヤッバ☆

だが…これはチャンスかもしれんな。これを使わない手はない。

「あ、じゃ、じゃあこうしませんか!重岡…じゃなくてこいつをどこか牢獄に入れてください。そうしたら安心ですよね?」

「え。」

重岡がまじかこいつという顔をして俺を見る。

「「ま、まあそれなら…。」」

「ちょ!?」

これにて、重岡を投獄することに成功した。許せ。俺の身の安全のためだ。

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