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私の知人は自称政府の探偵さん  作者: 五月雨雪
3/3

別れは唐突に



さて、私は何故、今、暗い路地を1人で歩いているのだろう。


正直言ってあの人の考えている事は全くわからない。


理解する気もないのだけれど…


でもあの人は間違いなく政府にとってはいい人になり、あの少年にとっては悪い人になろうとしている。


「困ったな〜……」


こういう時はどうすればいいのだろうか。


**********************


俺はどうするべきだろうか。


考えても考えても手段は一つしか思いつかなかった。


327人……


あの少年の両親が殺人をした人数だ。


いや、詐欺などもある。だから、犯罪を犯した数……か。


俺は流伊奈に頼み事をした。


________俺が、彼奴らを捕まえて殺す。だから、この件が終わればもう関わることをやめる。最後だ。……夜、路地裏を歩け。俺も気づかれないように後ろをついて行く。


________ちょ、え、どうして⁉︎

囮になる分にはいいですよ?君があの少年の両親にそこまでする理由が解らない‼︎


________俺の友人が、昔、被害に遭った。俺の目の前で…だ。

そして、昔起きた事が今、また、起ころうとしている。もう二度と起こさない為には捕まえるしかない。


________でも、君は‼︎_______


________殺すんでしょう______


………


________どのみち、殺される。なら、俺が"それ"をする迄だ。


________君の……友人の為に?馬鹿じゃないの?そんな事しても、、悲しみしか生まれない‼︎あの少年の気持ちが君には……‼︎


________何も言うな________


________悪いな______


________………わかりました____


俺は、数分前の出来事を思い出していた。


「……悪いな__俺は、良い人にはなれないんだよ」


複雑な気持ちだった…


**********************


タッタッタッ……


私の歩く音だけが響く。


いつのまにか額に汗が滲んでいる。


息が苦しい……


暗い…



怖い…


早く来い


そして、早く捕まえて‼︎


タン……タッ…


私以外の足音がする。


…直感だった。


来た‼︎


私は直ぐに後ろを振り向いた。

そこには、誰もいない、、


右、左、上、下、前、後


誰も………いない……はず………


*********************


静かな夜だった。

俺は、彼女の後ろを付いて歩いていた。俺は、足音を立てないように歩いていた。


そこに彼女以外の足音が響いた。


あぁ…来たか


やっと……


そう思っていた。


_________ドサッ


何が起こった……?


俺は今倒れている。俺の血が流れているのが見える。犯人は彼女じゃなく俺を狙ったのか…

作戦………


「失敗だ…」


「やられた」


自然と口角が緩んだ。


焦った顔で走って来る流伊奈が見える。



_________相変わらずの迫真の演技だ。


*********************


男は、路地裏で男を刺した。


凶器は不明。


女は、ただ、見ていた。


その表情は笑っていた。



血を流して倒れている青年は男の顔を見て_________笑った。


**********************


「すみません。………ゲームオーバーです」


私は、青年を刺した男とその後ろにいる女にそう言った。


男はまだ、余裕の笑みを浮かべている。


女は…………口から血を流した。


「…っ…………どう……して…わた…っ」


_________バタンッ


私の目の前にいる男は驚いていた。


「何故……お前が……何のために育てたと思っている⁉︎」


男は声を荒げ、女の倒れた方を見て、、絶句している。


「ぼ、僕の意思だから‼︎……だから‼︎……」


幼い声だった。


私は……声も出なかった。


すると、地面に倒れている青年が立ち上がり。


「悪いな……。作戦成功だ。_________

21時17分それがお前らの死の時間だ。」


_________グサッ


静かな路地裏に何かを刺す音が響いた。


あぁ、また、私を騙したんだ。この人は…


_________バタッ


男は倒れ、、しばらくすると、息を引き取った。


**********************


「……どうして⁉︎、、こんな子供に‼︎_________っっ…君は……何をしたか‼︎」


流伊奈が叫んだ。


「知っている」


だが、これは


「僕、、知ってたよ…。お母さんとお父さんが夜帰ってこないのも、話しかけても、何も答えてくれなかったのも……。夜、こっそり付いて行って何をしていたかも。」


流伊奈は目を見開き、涙を流しながら叫んだ。


「少年‼︎………君は…もう、普通じゃなくなるんだよ⁉︎」


行人は、俯いていた顔を上げた。血はもう止まっているみたいだ。


「…よせ。少年が泣きながら俺に頼んで来た。俺等には止める権利もない。」


_________パンッ


「ゆきと‼︎……待ってお姉ちゃん‼︎僕が、、どうしてもって頼んだの‼︎」


流伊奈は止まらことを知らない涙を拭い。


「でも、許可を出したのは‼︎行人だ‼︎」


行人は殴られた頬をさすりながら、流伊奈に言った。


「はじめから、、これ以外の方法は無かった。お前を囮にしたところで、気づいた時にはお前は死んでいた。それに、昨日少年が俺に言ったからな」


______________________


ゆきと‼︎、、、僕、見ちゃった。

お父さん達が….…‼︎


そうか………それで?何を頼みに来た?お前は俺が探偵であることを知っている。


ぼ、僕にやらせて….…….…ください‼︎


…泣くぞ、お前。


じゃあ、ゆきとが…他人を殺すのは悪い事じゃないの?


それはお前も変わらん。もし如何してもと言うのなら、彼女がうるさくなるだけだ。

それに、お前は普通の生活を送る事が出来なくなる。


僕、捕まっちゃうんでしょ?

いいよ。

……だってこれは________。


**********************


行人が言った言葉に私は驚きを隠せなかった。

涙も止まらず。ただ、、もう何も少年に言うことができなかったのだ。


そして、行人の優しさでもあった。


「少年も俺も……人を刺した。例えそれが犯罪者だと言えど、俺等も捕まる。


少年は俺に、"僕の家族の問題だから"と言った。だからと言ってた1人で行かせるわけにもいかない。

だから俺は、お前に囮になれと嘘をついた。_________悪かった_________それと、もう二度と、俺に関わるな」


少年は何も言わず、ただ俯いていた。叫び声が聞こえる。この現場を見られたのだろう。


しばらくするとサイレンの音。



私は



ただ



呆然と



知人が捕まるのを見ていた



そして、私も事情聴取へと、連れて行かれた。


**********************





馬鹿みたい



簡単に



人なんて



信じちゃいけないんだ……



さよなら_________





私の








_________大好きだったひと



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