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冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
番外編 其の一 仲間を助けるために……!!
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其の一 第2話

「ほぅ、気になるか?」


 質問に対して、男は嬉しそうな声色で返答する。


「うん、気になるっ!! はやく、教えてっ!!」


 セリカは急かすように、再び言葉を発した。


 すると男は、またまた嬉しそうに唇を動かす。


「おう、分かったぜ。教えてやるよ……っと、その前に自己紹介だ」


 男が気前よく口を閉じるなり、セリカは急に態度を豹変させて、


「え……? 私、知らない人に名前なんて名乗りたくないんですけど……」


 ……不審者を見つめるかのように、男へと冷たい眼差しを向けて言った。


 そんなセリカの態度に、男は慌てて口を開く。


「いやっ、別に個人情報とか言いふらしたりしないから、俺のことを嫌わないでっ!?」


「んね、早く今日やるクエストを探そう」


 セリカは男の存在を無視して、再び掲示板を吟味する。


「そうですねっ! 早く探しちゃいましょうっ!!」


 セリカに続いて……アネータたちも、男へ背を向けてクエストを探し始めた。


「あ、あのぉ……。ちょっ――……」


 男は眉を八の字にして、心細そうに呟きながら、セリカたちへと声を掛ける。


 刹那、


「いやああああああーっ! もう、うるさいわねぇ!! 呼ぶわよ? ギルド職員を呼んじゃうわよっ!? あのぉー、職員さんっ! なんか此処に不審者が居るんですけどっ!! この男の人を出禁にしてくださぁーいっ!!」


「ちょっ、待てっ!? 叫ぶな、呼ぶなっ!? 断じて俺は、不審者なんかじゃないからっ!?!?」


 途端に大声で叫び始めるセリカに……男は全身から汗を吹き出しながら、懸命に訴え掛けた。


 その訴えに納得したのか、セリカは少しだけ冷静を取り戻し……男へと問う。


「じゃあ、貴方は誰なのよ??」


「えっ、俺? よくぞ質問してくれた。俺の名前は……ネルスだ」


「ネルス……? 聞いたことのない名前……やっぱり貴方は不審者なのね?? あの、此処に不審者が――」


「おぅい!? ちょっと、待て待て!! 不審者じゃないからな!? 叫ぶなよっ!?」


 ネルスは再び全身から汗を吹き出しながら、セリカを説得する。


 するとセリカは不満げな表情で、言い返す。


「なによっ!? 私、貴方の名前を聞いたことないのっ!!」


「いや、それが普通だっ!! だって俺、お前に会ったの初めてだもん!!」


 ネルスがツッコミを入れていると、アネータが呆然と呟く。


「……ふ、不審者なんですか??」


「いや、バカなの!? 会話を聴いてなかったの!? 違うって言ってるじゃん!?」


 そんなこんな慌ただしい会話を振り広げていると、


「あのぉ、どうしましたか? なにか、問題でも……??」


 ギルドの女職員が一人……首を傾げながら、セリカたちに話し掛けてきた。

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