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冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第4章 魔王よりも先に、世界征服!!
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4章 第39話

「そ、そんな方法が有ったか……!! お前の頭、冴えてるな!!」


 俺はイディオスへ聴こえないような声の大きさで、ドルチェを褒めた。


 すると、


「ありがとっ!! それじゃあ早速、移動しようっ!!」


 ドルチェは、喜んだ様子で言ってきた。


「おう、そうだな!」


 俺が嬉しそうな言葉へ返答するなり……アスモリとメロが、ドルチェの身体にへと抱き付く。


 そんな行動を目前にした俺も、急いでドルチェの身体へと掴まった。


 と、


「それじゃあ、飛ぶねっ!!」


 ドルチェは……俺たちが身体に抱き付いている事を確認すると、小さな黒鱗翼を勢い良く羽ばたかせた。


 刹那……俺たちの身体は、フワリと空中に浮かび始める。


 ……よし、この調子で!!


 地から足底が離れるや否や、俺がそんな事を思っていると……、


「あ、あれぇ?? 上手く飛べない……」


 突然にドルチェが、困惑した口調で呟く。


 瞬間、


「私ノ身体ハ、金属ダカラ……重タイ。私ハ、迷惑ヲ掛ケテシマッテイル」


 メロが、ドルチェの身体に抱き付きながら……俯いて口を動かした。


 ……迷惑を掛けている? もしや、落とし穴に落ちた、あの時……メロが重りになっていた所為で、段々と降下して行っていたのか!?


 俺が少し前の記憶を振り返っていると、ドルチェの励まし口調な声が聴こえてくる。


「大丈夫っ!! だから、安心してウチに掴まっていてね!!」


 ドルチェは言葉を終わらせるなり……今迄より何倍も激しく、翼を羽ばたかせ始めた。


 刹那……先程に浮遊した時よりも高く、足底が地から離れる。


「この調子で一気に……次の試練が待ち構えている扉の前へと向かうから、シッカリと掴まっていてね!!」


 ドルチェは早口で、そう伝えてくると……ロープを無視して、一瞬で次の部屋の扉前へと向かい羽ばたく。


 すると、


「ちょ、おい!? お前らっ、ロープ!? ロープをなぜ使おうとしないっ!?」


 イディオスの早口な言葉が、何処からともなく響き渡ってきた。


 ドルチェは、そんな言葉を無視して……翼を懸命に動かし続けている。


 そして、


「到着ぅーっ!!」


 ドルチェが嬉しそうに叫び、翼の羽ばたきを緩めた瞬間……次の試練が待ち構える扉前の、足元狭い床へと着陸した。


 と、


「なんも、面白くないっ!! もう良い、試練は中止だっ!!」


 怒りながらそう発言をする、イディオスの声が聴こえてくる。


 ……え? 試練中止!? ……や、やったぁ!! 嬉しいっ!!


 俺が予想だにもしなかった言葉に、心中で歓喜していたら……、


「やだっ!! まだ、やりたいっ!!」


 ドルチェが、狭い床でジタバタと駄々を捏ねはじめた。


 ……ちょっ、何やっちゃってるの!?


 俺がドルチェの頭のオカシイ行動に困っていると、イディオスの声が再び聴こえてくる。


「そ、そんなにやりたいのか……? じゃ、じゃあ……仕方がないから、最後の試練を一つだけ受けさせてやろうっ!! とりあえず、次の部屋に入るが良い!!」


「うんっ!!」


 ドルチェは、元気良く答えた。


 ……なんで二人とも、そんなにノリノリなんだよ。


 俺がそんな事を感じていたら……ドルチェは目前の扉を開けて、その先の部屋内へと脚を踏み入れていく。


 続けて……アスモリとメロも、次の部屋へと入っていく。


 ……はぁ、試練が終わると思ったのに。


 溜息を吐きながら、俺も目前の扉を通り抜け……皆が待っている次の部屋内へと、頭を俯かせて渋々に脚を踏み入れる。


 と、


「うわっ!? 凄いな、この部屋!!」


 アスモリが声を荒げながら驚いた。


 ……今回の部屋も、そんな驚く程に凄いのか??


 そんな疑問を抱きながら、俺は下げていた目線を正面に向けてみる。

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